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【熱発電チューブ 世界初の実用化にめど】 金属チューブ内にお湯を流すとその熱で発電する「熱発電チューブ」と呼ばれる技術について、電機メーカー「パナソニック」が世界で初めて実用化にめどをつけ、将来、工場などでの発電への活用が期待されています。www3.nhk.or.jp/news/html/2012…
【動画】9月12日
金属のチューブの中にお湯を流すとその熱で発電する「熱発電チューブ」と呼ばれる技術について、電機メーカーの「パナソニック」が世界で初めて実用化にめどをつけ、将来、工場やビルでの発電への活用が期待されています。
「熱発電チューブ」は、温度が高いところから低いところに電気が流れる性質を持つ金属でできています。
この性質を生かしてチューブの外側を水で冷やし、中にお湯を流して熱を加えると発電します。
長さ10センチ、直径1センチの「熱発電チューブ」の出力は4ワットで、4本組み合わせるとLED電球を点灯することができます。
「熱発電チューブ」は小型で軽く二酸化炭素を出さないのが特徴で、「パナソニック」は世界で初めての実用化に向けて6年後をめどに工場やビルの排熱や温泉地での活用を目指しています。
パナソニック先端技術研究所の山田由佳さんは、「工場やビルなど排熱は至る所にあるがむだになっていた。熱発電チューブを分散型電源として活用したい」と話しています。
下記は昨年発表の当技術です。1年強経過で実用の目処がついたので再度の発表なのでしょうか。会社の将来への展望の強調でしょうか?
世界初、傾斜積層構造を用いた熱発電チューブを開発 | プレスリリース | ニュース | パナソニック企業情報 | Panasonic 2011.6.20
パナソニック株式会社は、熱電変換材料と金属を傾斜積層した、新しい構造の熱発電チューブを開発しました。熱エネルギーを電力に直接変換できる熱電変換[1]は、二酸化炭素排出ゼロの発電技術のひとつとして注目されています。今回、熱の流れにくい熱電変換材料と熱の流れやすい金属を傾斜して交互に積層し管状にした単純な構造を考案、お湯を流す配管そのものを熱発電チューブにすることが可能となり、試作した長さ10 cmのチューブで1.3 Wの電力を取り出すことに成功しました。本開発の成果を用いることで、地熱・温泉熱利用[2]などへの展開がより簡便になることが期待できます。
現在、導入が進んでいる太陽光や風力などと比較して天候などに左右されず安定な再生可能エネルギーとして地熱・温泉熱の活用が注目されています。これまで、温泉熱を利用した熱発電の取り組みがありますが、配管の外側に従来のπ型構造の熱電変換素子[3]を貼り付けて配線しているため熱を取り込む際のロスが大きく、信頼性にも課題がありました。本開発により、配管自体で熱発電が可能となり、熱の取り込みロスが少なく、複雑な配線も不要となり、熱発電システムの実現に大きく前進します。
今回の開発は、以下の特長を有しています。
従来のπ型構造の熱電変換素子を使った場合に比べて4倍の発電量を実現1)。1)同一の熱量を供給(温水90度、冷水10度)して比較。 製造方法が簡単で、お湯を流す配管などにそのまま使えるチューブ形状を実現。
本開発は、以下の新規技術により実現しました。
熱の流れと垂直な方向に電気が流れるという独自の熱発電原理を考案 熱発電原理に基づき発電電力を最大化する熱流シミュレーション技術を構築 加工が困難な熱電変換材料をあらかじめカップ型にすることで、チューブを開発従来のπ型構造の熱電変換素子は、構造が複雑で 熱を熱電変換素子に取り込む際のロスが大きく、複雑な配線が必要となり、スケールアップ、信頼性にも課題がありました。
国内:29件 海外:12件(出願中を含む)
本開発の一部は、2011年6月22日から24日(現地時間)まで、サンタバーバラ(米国)で 開催されるElectronic Materials Conference で発表いたします。