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非化石エネルギーの利用
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王子製紙グループが使用するエネルギーの約半分は、非化石エネルギーです。非化石エネルギーには、黒液(黒い植物性廃液)や木屑などのバイオマス燃料(注1)を利用する再生可能エネルギーと、廃タイヤ、廃プラスチック、RPF (注2)などの廃棄物を有効利用する廃棄物エネルギーがあります。再生可能エネルギーの中でも特に黒液(黒い植物性廃液)の利用が多く、エネルギー使用量の約3割を占めています。
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(注1)
バイオマス燃料
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再生可能な生物由来(木材など)の有機エネルギーや資源のことで化石資源を除いたもの。
(注2)
RPF
ごみ固形化燃料の一種で、紙ごみと廃プラスチックから作った固形化燃料。廃プラスチックや再生困難な紙ごみ(古紙)のサーマルリサイクルとして注目されています。
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黒液(黒い植物性廃液)
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黒液(こくえき)は、パルプの製造工程で、木材チップからリグニンやヘミセルロースが分離されたものです。王子製紙グループでは、濃縮した黒液をバイオマス燃料として有効利用しており、エネルギー使用量全体の約3割に達しています。黒液は、紙パルプ産業に特有のバイオマス燃料と言えます。
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パルプを製造し、黒液を生成する連続蒸解釜
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黒液
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黒液(黒い植物性廃液)などのバイオマス燃料は、燃焼した際にCO2を発生しますが、これはバイオマスの成長過程で光合成により大気中から吸収したCO2を再び大気中に放出しているだけであり、ライフサイクルから見ると大気中のCO2を増加させることにはなりません。これをカーボンニュートラルと呼びます。
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RPFエネルギーへの転換。王子製紙は廃棄物エネルギー使用の先駆けです。
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王子製紙グループでは、化石エネルギー削減の大きな要件として、廃棄物エネルギーや再生可能エネルギーへの転換を 推進しています。王子製紙の廃棄物燃料の利用は、1990年頃という実に早い時期から行われており、苫小牧工場が札幌市の製造した固形燃料を 使い始めたのがきっかけでした。その後、広範な廃棄物燃料に対応するため、専用ボイラー(循環流動層ボイラー)の導入を業界内でいち早く 決定。2004年度に苫小牧と大分、2005年度に米子、2006年度に日南、芝川、2007年度に春日井、2008年度には富岡、日光、で稼働を開始し、RPF、廃タイヤ、木屑などの利用拡大を進めています。
RPFとはRefused Paper & Plastic Fuel の略で、その名の通り再生困難な古紙と廃プラスチックを原料とした固形燃料です。 焼却するしかないごみがエネルギーとしてよみがえるだけでなく、化石エネルギーの使用を削減することで、地球温暖化防止に貢献できる という利点を持っています。
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廃棄物の有効利用とサーマルリサイクル
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廃棄物対策では、発生抑制(リデュース)、再利用(リユース)、再生利用(リサイクル)の3Rが優先されるべきポイントです。しかし、経済性や技術面で3Rが困難な場合は、衛生面や廃棄物の減量化の観点から、廃棄物をそのまま埋め立てるより焼却処理すべきものと考えます。その際単に焼却だけするとCO2を発生しますが、廃棄物の焼却時に発生する熱を回収して利用(サーマルリサイクル)する、つまり廃棄物を化石エネルギーに替わるエネルギーとして利用すれば、化石エネルギーの使用削減につながりCO2排出量の削減にもつながります。
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廃棄物燃料の課題とは
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廃棄物エネルギーを使うことのメリットは、ごみの削減、化石燃料の削減ですが、一方で「燃焼灰の増加による灰処理コストの増加」が避けられません。ちなみに焼却灰はセメントメーカーでの委託処理や土壌改良剤への利用、埋め立てなどの処理方法をとっています。また、RPFは広域で小ロット調達のため供給予測が難しいことや、木屑は発電事業者との取り合いが懸念されるなど、廃棄物燃料の安定調達が量的・コスト的に難しくなる可能性があります。
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RPFボイラー(王子板紙 大分工場)
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RPF燃料
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水力発電は、高い所から流れる水の勢いでタービン水車を回し、その水車が回転する力で発電しています。水を利用するので燃料がいらず、発電のときにCO2を出さないので、地球温暖化防止に貢献できるエネルギーです。
王子製紙グループでは、王子製紙苫小牧工場(北海道)、富士工場(静岡県)、王子特殊紙中津工場(岐阜県)、東海工場芝川事業所(静岡県)に水力発電設備があります。支笏湖を背後に控え、水力発電に必要な豊富な水量に恵まれた苫小牧工場では、約5万kWの発電をしており、工場で使用する以外に売電もしています。苫小牧工場の歴史は、1906(明治39)年に支笏湖の水利権を獲得したことに始まっています。翌年春から発電所のための水路工事が始まり、1910年春、千歳第一発電所で1万kWの運転と当時国内に類を見ない4万ボルトの長距離送電に成功し、同年秋から苫小牧工場が操業を開始しました。その後も長く苫小牧一帯の電化の一翼を担ってきた千歳第一発電所は、何度も増設や改修の手を加え、1世紀経った今も稼動しています。
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水力発電設備(王子製紙 苫小牧工場)
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森林による大気中のCO2の吸収・固定も極めて有効な地球温暖化防止の手段となります。日本では、京都議定書による温室効果ガス削減義務6%のうち、最大で3.8%分を国内森林のCO2吸収で充当することが認められています。 王子製紙グループでは京都議定書で定められたクリーン開発メカニズム(CDM)に基づく植林を検討しており、そのために必要な『新方法論』(注3)をCDM理事会に申請しました。その結果、2007年7月のCDM理事会で正式に承認されました。方法論は、持続的な森林生産を目的とした植林活動を通じて二酸化炭素クレジットを計測するためのものであり、製紙業界としては世界初の方法論となります。CDM植林対象地として検討しているマダガスカルでは、過度の薪炭材伐採や焼畑などにより荒廃した草地が拡大しており、未利用の荒廃地に持続的な森林経営を行うことで、製紙原料を造成するとともに、温暖化防止、地元社会、環境に貢献できると考えています。
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CDM植林事業調査
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CDMとは、Clean Development Mechanismの略。「京都メカニズム」(注4) のひとつで、クリーン開発メカニズムと訳します。先進国の資金や技術支援により、開発途上国でエネルギー転換や省エネによって温室効果ガスの排出削減などにつながる事業を実施し、その事業により生じる削減量の全部または一部に相当する量を先進国が排出枠として獲得することで、その先進国の削減目標の達成に利用することができる制度のことです。CDM事業には、エネルギー転換や省エネによって温室効果ガスを削減する排出削減型CDMがありますが、これに対して、森林でない土地の植林によって温室効果ガスを吸収するタイプの事業がCDM植林です。
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(注3)
新方法論
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CDMプロジェクトの申請にはCDM理事会承認の「二酸化炭素等の温室効果ガスの吸収量、排出削減量を測定する方法」=「方法論」を用いる必要がある。適切な「方法論」がない場合、新たな「新方法論」を作成し、CDM理事会の承認を受ける必要がある。
(注4)
京都メカニズム
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市場原理を活用して地球温暖化を防止する方法として京都議定書で認められたもの。共同実施(JI)、クリーン開発メカニズム(CDM)、排出量取引の3つの制度がある。
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