三菱重工もジェット機発売に踏み切っており、漸く日本の航空機産業進出が確定的となった。今後は、更に進出するメーカーも出て来ると思われるし、一足飛びに宇宙を狙っている企業もあるはず、楽しみとともに、安全面での神話的精度を築いて欲しいものです。
IHI、GEとビジネスジェット用エンジン開発 :日本経済新聞
IHIは個人や企業が所有するビジネスジェット機用エンジンを米ゼネラル・エレクトリック(GE)と共同開発する。低圧タービンなどの主要部品を中心に全体の約3割の開発と生産を担う。ビジネスジェットは欧米やアジアで需要が拡大している。軽量で高強度な部品を生産する日本の強みを生かし、成長市場を開拓する。
IHIが開発に参加するのは「パスポート20」と呼ぶエンジンで、カナダの航空機大手ボンバルディアの新型ジェットへの採用がすでに決まっている。2015年までに開発を終え、従来のエンジンより燃費性能を1〜2割高める計画。IHIはファンや高圧圧縮機の一部も担当し、数百億円の開発費をかけて部品の軽量化などに取り組む。プロジェクトには川崎重工業も参加を検討する。
ビジネスジェットは定員を数人から20人程度にした小型機。欧米の企業や富裕層を主な顧客としていたが、経済成長の進むアジアや中東の顧客も増えている。11年の世界の運航機数は約1万7000機で、20年後には3倍の約5万機に増える見通し。大幅な値引きを要求される一般的な旅客機向けと比べ収益性が高く、部品についても早期の黒字化が見込める。
IHIは新エンジン向けの部品を相馬工場(福島県相馬市)などで生産し、瑞穂工場(東京都瑞穂町)で組み立てて出荷する。エンジンに不具合があった場合に各地で点検・修理できる体制も整備する。引き渡し開始から15年間で、3500億〜4000億円程度の売り上げを見込む。
IHIは米ボーイングなど向けのエンジン部品事業で年2500億円程度を売り上げている。成長分野のビジネスジェット向けへの参入で同事業の拡大に弾みをつける。
世界シェア15%目指す
ホンダは新興国の小型ビジネスジェット機市場に参入する。2013年後半にまず米欧市場で「ホンダジェット」の納入を始める計画で、米欧の需要一巡後、中国とブラジルで現地の航空機販売サービス会社と組み販売を始める。居住性と燃費性能の高さを武器に、存在感が高まる新興国市場を開拓し、世界の小型ジェット機市場で15%のシェア獲得を目指す。
ホンダの航空機事業の子会社、ホンダエアクラフトカンパニー(米ノースカロライナ州)の藤野道格社長が明らかにした。ホンダジェットは米欧市場への参入に向け、当局との間で型式認定の取得作業が進行中。既に米欧で100機以上を受注しており、13年後半から順次納入する。「数年で米欧の需要が一巡した後に中国、ブラジルに打って出る」という。
営業活動や保守・点検作業は自動車のディーラーと同様に、現地の販売サービス会社を通じて手がける。米欧では既に現地企業と組み、北米に6カ所、欧州に3カ所の販売サービス拠点を整備した。今後、中国、ブラジルにも展開する。
ホンダジェットは定員が7人。対象とするビジネスジェット機市場は年800〜1000機の需要があり、米セスナとブラジルのエンブラエルが2強。米欧が需要の7割を占めるが「中国市場が予想より早く立ち上がった」(藤野社長)ほか、ブラジルでも需要が根強いため、ホンダは新興国市場を開拓する。中東市場も視野に入れている。
本社に隣接する工場で今月から初号機の組み立てに着手する。来年後半に最初の4〜5機を引き渡す計画。従業員を1000人に増やし、15年までに年100機の生産体制を構築する。18年までに航空機事業の単年度黒字化を目指す。
ホンダジェットはエンジンを主翼の上に設置する独特のデザインが特徴。価格は450万ドル(約3億6000万円)。同社は競合機と比べて機内を約18%広くしたほか、速度を10%、燃費性能を約20%それぞれ向上させたと説明している。
次期機種について藤野社長は「事業としては(機種拡充を)当然考えなければいけない。ホンダジェットはこのクラスでは機体の直径が最も大きいため、機体を長くできる」と話し、10人乗り程度になる可能性を示唆した。