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メモ「国産ジェット旅客機MRJ、受注好調/三菱航空機」

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朝日新聞デジタル:国産ジェット旅客機MRJ、受注好調 燃費の良さ高評価

MRJの実物大の客室模型。エコノミークラスシートより広めの上級クラス用シートも展示された=9日午前11時52分、名古屋市港区、恵原弘太郎撮影

MRJの実物大の客室模型。エコノミークラスシートより広めの上級クラス用シートも展示された=9日午前11時52分、名古屋市港区、恵原弘太郎撮影

小型ジェット旅客機市場

 三菱航空機が開発を進める初の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の受注が好調だ。主力市場である米国で原油価格が高騰。燃費性能のよさがにわかに注目され、累計で230機を受注した。ただ、設計の遅れなどから初飛行は当初より1年半遅れ。「離陸」の遅れはこれ以上は許されない。

■目標「20年1500機」に上げる

 「今後20年間の受注目標は、1500機。これまで1千機としてきたが、もっと高い目標を掲げたい」

 三菱航空機の江川豪雄(ひでお)社長は9日、名古屋市で開幕した「2012年国際航空宇宙展」の会場で、MRJの精巧な模型を前に目標の引き上げを宣言した。

 小型の航空機で地方都市間を効率的に結ぶ地域航空会社は、欧米で急成長している。その中核を担う小型ジェット旅客機は、今後20年間で5千機の需要が見込まれる「ドル箱市場」だ。

 欧州は債務危機で景気が低迷しているため、三菱航空機は北米を中心にMRJの売り込みを推進。1機4200万ドル(約33億円)と値は張るが、今年7月には米スカイウェスト社から100機、別の米地域航空会社からもすでに100機の受注を獲得している。

 セールスポイントは、機内の広さ。座席の幅は約47センチ。競合機との差はわずか1〜4センチだが、「数センチの差でも座ると違いに気づきます」と担当者は胸を張る。

 さらに、追い風となっているのが、燃料である原油価格の高騰だ。MRJは、ライバルのボンバルディア社のCRJ、エンブラエル社のEジェットと比べ、2〜3割ほど燃費が良い。

■開発の遅れに不安

 ただ、不安も残る。

 試験機の初飛行の時期は当初2012年6月まで、とされていた。しかし、設計の遅れや部品をつくる三菱重工での検査体制の不備の発覚などで、13年10〜12月に延期した。航空会社への初納入の時期も、15年6〜8月にずれ込んだ。

 一方、ライバル機のCRJは1666機、Eジェットは802機が世界各国で納入済み。実際の運航経験をもとに、機体の一部改良や、補修に必要な部品の準備などができる点が強みだ。ボンバルディアの担当者は「うちは実績と信頼が売り」と強調する。

 航空会社が航空機を選ぶ際、整備のしやすさや補修のための部品の円滑供給は重要な要素になる。MRJはこうした点での弱さが否めない。(大内奏)


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