またぞろ、石油をめぐる国際的政治の駆け引きが始まっています。イランを石油輸出できなくして雪隠詰めをしたいのでしょうが、欧州は我慢の上で同調も、1位の中国、そして3位の日本は大変です。日本は今日あることを知り輸入量の削減に努めてきていますが、なお20数万バレル/日もあります。原発は頼りにならず、他国から石油やガスを調達急ぐのみです。そして素早く、こう云ったことに頼らなくてもよい「自前のエネルギー自給率」を高めることです。
一番の効率よいのは、「省電/節電」です。先ほど家の断熱材活用やアルミサッシの気密性向上等を法制化することが検討されています。電灯も白熱電球より蛍光灯そしてLEDとなり、その次の有機EL照明もスタートしてきています。この3年程の間に根本的な事柄が異なって来ています。電力会社の戦力を変更させて、資産価値7割ウエイトの送電関連を切り離して、いろいろな技術開発競争をさせるとどうなるか。送電の部分でも直流化や超誘導送電線活用他で原発数基分の省電が出来てしまうはずです。スマートスイッチ/スマートハウス/スマートグリッドの中でのディバイス類の改良でここでも原発数基分が省電できます。
扱い難い再生エネルギーを円滑化する為の「蓄電池/エネルギー蓄え装置:ダムの水、熱水、氷、水素、リサイクルのマグネシウム、、、」いろいろとあります。
米国他における「シェールガス」、今までは供給ルートが出来なかったガス関連の流通(パイプ設置〜液体ガス化しての船舶移動とその基地つくり)近くで「メタンハイドレート」「藻からのオイル」が生産できれば尚いい。また、低品質の石炭でも発電できる技術開発は進んでおり資源の埋蔵絶対量拡大に有効。目の前にある「森林」を活用すれば、地方の電力自給率向上と地場雇用促進は間違い無しです、木材からのチップでも石油の8割程度の効率で稼働できるときいています。
外交は喧嘩をしない為であり、戦争の要因が常に「エネルギー問題」になっていた近代以降のことを考えると、早く次の手を考えねばなりません。このイランの問題や北朝鮮の問題、そして何よりも「311」をそのきっかけにしていかねばと思っています!
イラン産原油輸入 米、日本に大幅削減要求へ 制裁から邦銀除く条件 :日本経済新聞
【ワシントン=矢沢俊樹】米政府は日本に対し、核開発を続けるイランからの原油輸入を大幅に削減するよう求める。米がイラン中央銀行と決済取引のある外国銀行に制裁を発動する際、邦銀を対象外とする代わりに原油取引の見直しを迫るとみられる。日本は原油の1割弱をイランから調達しており、石油元売りや商社はサウジアラビアなどからの代替輸入の準備に入った。
ガイトナー財務長官が12日、都内での野田佳彦首相や安住淳財務相らとの会談で、イランへの圧力強化に向けて国際協調を目指す米議会・政府の考え方を伝える。同長官は訪日に先立って中国も訪問しており、米のイラン制裁が具体化してきた。イラン側も反発の姿勢を強めており、国際社会は緊迫してきた。
同日にはイラン問題や欧州危機について「日米が緊密に協議」することを確認し、共同声明として公表する見通し。同長官は11日に中国の温家宝首相らに制裁への協力を求めたが、中国側は反対姿勢を示した。
米では昨年末、イラン中銀と決済取引を持つ外国金融機関に制裁を加える条項を盛り込んだ「国防権限法」が発効。早ければ60日程度で発動される。原油取引などでイラン中銀と多額の決済を手掛けるメガバンクが米での金融事業停止に追い込まれる可能性もあり、制裁回避には原油輸入を停止せざるを得ない。
日本は米に対し、経済に悪影響が及ぶことを強調。イランの核問題が表面化して以降、段階的に原油輸入を減らしてきたこともあり、邦銀への制裁回避を訴えてきた。12日のガイトナー長官との会談でも安住財務相が改めて理解を求める。ただ、米議会はイランへの強硬姿勢をとっていることから、米側は大統領権限で実質的に適用除外とするにしても、日本が原油輸入をさらに顕著に減らす必要があるとの事情を示すとみられる。
米側が全面的な禁輸まで求めるかどうかは不透明。メガバンクなどは段階的な取引圧縮を容認するよう求めており、日本政府側が制裁発動までの間に、実効性のある措置を米に提示できるかが焦点になる。
段階的な輸入削減で済む場合、日本の石油元売りや商社はイランからの原油輸入を縮小し、サウジやアラブ首長国連邦(UAE)などからの調達を拡大する方針。長期契約は4月更改が多く、各社はこの時点でイランとの契約を減らし、サウジやUAEからの調達に切り替えるとみられる。両国も日本向け供給を拡大する意向だ。
だが即時輸入停止を求められれば、スポット取引で割高な原油を調達せざるを得なくなる可能性があり、日本の原油調達コストを押し上げそうだ。原油市場では既に代替需要を見越して一部油種が値上がりし始め、中東産ドバイ原油は11日、1バレル110.50ドルと昨年末比で3%上昇した。
米、イラン包囲網急ぐ 中ロは制裁反対 外交での駆け引き激化 :日本経済新聞
イランの核兵器開発疑惑への対応を巡り、米欧が追加制裁を軸に包囲網構築を加速する動きを鮮明にし始めた。ガイトナー米財務長官はイラン産原油の最大の買い手である中国に協力を要請し、12日には日本も訪問する。フランスのジュペ外相も来日を予定する。だが中国とロシアは制裁反対の姿勢を表明。イランは中南米の反米国との連携で対抗する姿勢を見せる。国際社会で対イラン包囲網がどこまで狭まるか。主要関係国の外交駆け引きが激しさを増してきた。
11日、会談前に握手する中国の習近平国家副主席とガイトナー米財務長官(北京)=共同
【北京=高橋哲史】訪中したガイトナー米財務長官は11日、北京で温家宝首相、習近平国家副主席、李克強副首相と相次いで会談した。ガイトナー氏は「米中両国は世界の安全と安定、経済回復に大きな責任を負っている」と述べ、イランからの原油輸入削減などを中心に、米欧の追加制裁への同調を求めた。
「濃縮、即停止を」
これに先立ち、クリントン米国務長官は10日、イランにウラン濃縮の即時停止を求める声明を発表。米政府はイランへの圧力を強める考えを鮮明にした。
温氏はガイトナー氏との会談で「両国関係は正しい軌道に沿って前進し続けなければならない」「意見の相違はうまく処理すべきだ」などと訴えた。英フィナンシャル・タイムズ(電子版)は「中国側は耳を傾けていた」という米高官の言葉を伝えたが、温氏は追加制裁には慎重な姿勢を示したもようだ。
中国外務省の劉為民報道局参事官は11日の記者会見で「中国は発展途上の大国であり、エネルギー需要が増えるのは合理的だ」と主張。「イランとの協力は正常で透明なもので、国連安全保障理事会のいかなる決議にも違反しない」と、原油輸入を見直す考えはないことを強調した。
イラン産原油は中国の原油輸入量の1割を占める。情勢が緊迫する中、中国は14日から6日間の日程で温氏をサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールの3カ国に派遣し、他の中東産油国との関係強化にも動く。サウジは中国にとって最大の原油調達先。3位のイランからの輸入が滞った場合に備え、サウジなど他の産油国から調達を増やす思惑ものぞく。
イラン産原油の輸入量は1位が中国で3位が日本。2位の欧州連合(EU)27カ国は、既にイラン産原油の輸入禁止で合意したが、日中両国が加わらなければイランの資金源を完全には断てない。
仏外相も来日
ガイトナー氏は温氏との会談で明確な“成果”を引き出せなかったが「米中がより広範な領域で協力し、関係を強化するよう期待する」と、説得を続ける姿勢をみせた。12日には東京で野田佳彦首相や安住淳財務相らと会談。今週末にはジュペ仏外相も来日し、制裁への理解と同調を求めるとみられている。
米欧はロシアにも制裁への参加を働きかける方針。ただタス通信によると、ロシアのリャブコフ外務次官は11日「イランがウラン濃縮を進めているとしても制裁は反対だ」と言明。米欧に協力姿勢をとるかどうか見通しにくくなっている。