海洋エネ発電、被災地で実験 東大、自治体・地元企業と :日本経済新聞
東京大学は東日本大震災の被災地で自治体や地元企業と組み、潮流や波力を使った発電実験をする。三陸沿岸に豊富に存在する海洋エネルギーを活用し、災害に強い分散型電源と位置付けるとともに、地元企業が発電装置を製作することで再生可能エネルギー関連の新産業創出を後押しし、復興のモデルとする。
東大の丸山康樹客員教授を中心とする研究グループが2014年度の発電開始を目指して、岩手県久慈市と宮城県塩釜市で現地調査を始めた。
久慈市には出力40キロワットの波力発電装置を2台設置する。久慈港にある石油備蓄基地前の海域への設置を検討している。振り子状に動く板が海中で波の力を受け止めて発電する装置を開発し、装置の製作と設置は地元の造船会社に依頼する。電力は久慈港の漁協施設などに供給する計画だ。
塩釜市では松島湾の浦戸諸島に出力5キロワットの潮力発電装置を設ける。毎秒1メートルの潮流がある海域に、水平方向に回転する水車を沈める。浦戸諸島は震災時に津波で海底ケーブルが切断された。再生可能エネルギーを使った災害に強い分散型電源の実用化を目指す。