【再掲載】 ここ1週間程、このブログが私のブログ分析トップに来ています。「不老不死」は永遠のテーマなのでしょう!…不死は無理でも、「不良長寿=アンチエイジング」は流行です、これからの老齢化社会では大流行りでしょう。結論はいつも「腹八分目」/貝原益軒にたどり着きます。65歳過ぎの完全定年ともなれば、後20年を如何に「ピン ピン コロリ」と生きるかでしょうかね!
必見!智慧得(737)「20年後、人類は「不老不死」/ケンブリッジ オーブリー・デグレイ」
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世界中で話題になっている画期的研究 20年後、人類は「不老不死」になる | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]
「アンチ・エイジングではなく、ストップ・エイジングだ」。孤高の科学者は、そう豪語して憚らない。誰もが一度は夢見る、永遠の若さと命。もしも、あなたが生きている間に実現するとしたら---。
老化は止められる「歳をとるにつれて体に蓄積されていくダメージを、薬や治療で修復すれば、人は老化せず、病気も食い止められる。老化や病気の原因は、突き詰めれば、細胞の細かい損傷です。つまり、傷ついた細胞を修復し続けることができれば、人は永遠に生き続けられるのです。そのために必要な薬と技術は、今後20年ほどで完成する可能性が高い」
英ケンブリッジ大学研究員で老年医学を専門とするオーブリー・デグレイ博士は、こう断言する。いくつかの条件を克服すれば、わずか20年後に、人類は不老不死になるというのだ。
デグレイ博士は、不老不死の研究に本気で挑んできた、世界でただ一人の科学者といっても過言ではない。彼は'09年にSENS(老化防止のための工学的戦略)とよばれる国際的な基金を創設し、ハーバード大学をはじめ、世界の名だたる研究機関と老化克服のための共同研究を進めている。また、老化に関する国際学会のみならず、グーグルなどの革新的な企業にも迎えられ、持論を語ってきた。
その博士が今回、本誌のインタビューに答えた。
「歳をとること、そして病気になること---これは、まさに人類最大の問題です。毎日10万人もの人々が、老化によって死んでいく。私が不老不死の研究を始めたのは、それを何とかしたいと思ったからです。
研究を始めた当初、私の考え方はあまりに突飛だったので、多くの研究者に否定されました。しかし10年あまりの研究で、徐々に主張が理解され始めました。現在は20人もの著名な科学者の賛同を得ています」
いまや不老不死は、世界の専門家が競う、現代医療の最前線なのである。
デグレイ博士は老化の原因を7種類に分け、その一つ一つを潰していくことにより、老化、ひいては死を克服できると主張する。彼が語るその内訳は次の通り。
(1)再生不可能な、脳や心臓の細胞が死ぬこと。
(2)細胞が正常に分裂せず、がん化してしまうこと。
(3)死んだ細胞が毒素を出し、周囲に影響すること。
(4)細胞が生み出す老廃物が、除去されずに細胞の中にたまってゆくこと。
(5)細胞の中でエネルギーをつくるミトコンドリアのDNAが、傷ついたり突然変異して、正しく機能しなくなること。
(6)細胞と細胞をつなぐコラーゲンなどのたんぱく質が、加齢とともにしなやかさを失うこと。
(7)新陳代謝によって生まれる老廃物が、細胞の外側にも付着すること。
「最初の問題は、幹細胞を補うことによって対処することができるでしょう。
現在われわれが特に力を入れているのは、細胞の内部を治療するための薬の開発です。この薬を用いて、細胞にたまった分子レベルの微細なごみを取り除き、ミトコンドリアの機能不全を修復できれば、(4)や(5)の問題は解決します。
七つの中では(2)のがん化した細胞の修復が最も難しいですが、これも染色体にはたらく特定の酵素を取り除くことで解決すると考えられます」(デグレイ博士)
さらに、(3)と(7)の問題は細胞の免疫系を刺激することによって対処できる。(6)の問題については、絡み合って硬くなったたんぱく質を分解する薬が、大手製薬会社によって完成に近づいているという---。以上でデグレイ博士は、老化の原因すべてに解決の見通しをつけたことになる。つまり彼は、不老不死のために解決すべき問題とその方策を示し、ロードマップを描いた最初の科学者なのだ。彼はいま、これらすべてを実現するための研究費を世界中から募っている。
iPS細胞を使えば古今東西、不老不死を夢見る権力者たちは迷信にすがり、ときに危険な手段で身を滅ぼすことさえあった。
強大な権力を背景に不老不死を追い求めた秦の始皇帝は、日夜服用していた〝不死の薬〟が含む金属で中毒をおこし、50歳で世を去っている。16世紀ハンガリーの伯爵夫人エリザベート・バートリは、永遠の美貌を得ようと若い娘の生き血の風呂を好んだが、後に魔女として幽閉された。
デグレイ博士の考える不老不死も、見果てぬ危険な夢なのではないか、そう思う読者もいることだろう。彼が言う不老不死への道には、どの程度の現実味があるのだろうか。
アンチエイジングの専門家でもある、京都大学医学部附属病院の近藤祥司医師は、〝不老〟の可能性を否定していない。
「一般に人間の寿命の限界は120歳程度と言われていますが、これは脳の重さや酸化ストレス(細胞内で酸化が進む現象)の蓄積と寿命の相関から割り出したものにすぎません。
長寿世界一の記録はフランス人女性のジャンヌ・カルマンさん(1875~1997)の122歳です。デグレイ氏が言うように、人間が200歳まで生きられるかどうかは誰にもわかりませんが、少なくとも細胞レベルで老化を食い止めることは可能です」
ノーベル生理学・医学賞候補となっている京都大学・山中伸弥教授の研究で脚光を浴びた〝幹細胞〟は、デグレイ博士が述べたとおり、細胞の死による老化現象を解決すると考えられている。
体の再生を司る幹細胞は、加齢とともに減ってゆく。幹細胞がなくなれば、筋肉は痩せ衰え、脳は萎んで死を迎える。逆にこの幹細胞を活性化させたり補うことで、老化を防ぐことができるというわけだ。医学博士の中原英臣氏が解説する。
「例えば、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って皮膚を再生できます。自分の若い頃のiPS細胞から再生させた皮膚を移植すれば、100歳でもつやつやの肌でいられる。髪や目も、iPS細胞で再生して移植すれば、若々しいままに保てるかもしれません。これは決して夢物語ではなく、いまも研究者たちの挑戦が続いています。そう遠くない時期、数年のスパンで実現する可能性が高い」
体のあらゆる部分を再生して若返ることが、理屈のうえでは可能なのである。
また、幹細胞とともに老化防止の鍵を握るのが、染色体の末端にある〝テロメア〟だ。中原博士が続ける。
「テロメアは、細胞分裂のたびに徐々に短くなり、完全に消耗したとき細胞分裂が止まってしまう。細胞が分裂できなくなれば、生物は死を迎えます。つまり、テロメアの消耗を抑えることで、不死が可能になるかもしれないのです」
実は、テロメアを操作して生物の寿命を延ばす実験は、すでに成功している。前出の近藤医師によれば、テロメアとともに〝スーパーp53〟という遺伝子を活性化したマウスは、通常のマウスよりも13~24%も長生きするという研究結果が発表されているという。
「テロメアが活性化すると、細胞の寿命が延びるとともに、がん化しやすくなるのが問題でした。しかし同時にスーパーp53を活性化すると、細胞ががんにならないよう監視してくれる。テロメアが長いほど細胞は若いということですから、寿命も延びる」(近藤医師)
つづく 必見!智慧得(737)「20年後、人類は「不老不死」/ケンブリッジ オーブリー・デグレイ」その2 - 鶴は千年、亀は萬年。