時代とともに変化する小売業…老齢人口増加、核家族化、長寿社会、
スマホやタブレット:SNSの発達、宅配サービスの充実…
いいことも悪いことも、時代とともに…
ローソン、ヤフーと宅配 ネットを第2の店舗に ファミマ まず全国5カ所で :日本経済新聞
ローソンはヤフーと提携し、来年1月からインターネットを使った食品や日用品の宅配を始める。国内最大のポータル(玄関)サイトの集客力を生かし、ネットを「第2の店舗」に位置付ける。ファミリーマートも今月から傘下の弁当宅配会社を通じコンビニエンスストアの商品を配達する。頻繁な来店が難しいシニアや共働き世帯が増えるなか、店舗の利便性を武器にしてきたビジネスモデルを変革し、消費者との接点を増やす。
ローソンが51%、ヤフーが49%を出資しスマートキッチン(東京・品川)を新設した。注文用の専用サイトを立ち上げ、ローソンの店舗で販売する2000品目に加えて食品や日用品を幅広く扱う。1月に1万1000品目で始め、3月までに2倍に増やす。ローソンは現在もネット通販を手掛けているが、自社サイトで取り込めなかった顧客を開拓する。
顧客はスマートフォン(スマホ)などで注文すると週1回、指定時間帯に定期的に商品が届く。会員数約2700万人のヤフーの顧客基盤を生かし2015年度に売上高1000億円をめざす。
ファミリーマートは、まず鹿児島県や東京都など5カ所で今月から宅配サービスを始める。4月に買収した高齢者向け弁当宅配のシニアライフクリエイト(東京・港)の配送網を活用。同社が既存の顧客から注文を受け、パンや飲料など利用頻度が高い商品を一緒に届ける。3年後に売上高100億円をめざす。将来は高齢者以外にも対象を広げファミマの店頭や電話で注文を受け付ける。
セブン―イレブン・ジャパンは約1万店で弁当配達「セブンミール」を手掛ける。コンビニで扱う飲料や日用品も配達。5月から購入額500円以上の場合に送料を無料にしたところ、直近の受注件数は3〜4倍に増加。11年度に100億円だった売上高を13年度には350億円に引き上げる。
総務省によると、65歳以上の人口は10年前より3割増え、共働き世帯も1割強増えている。こうした消費構造の変化を受けスーパー各社は「ネットスーパー」の展開を加速している。
一方、多くのコンビニは店頭での品ぞろえやサービスを拡充しながら、店舗網を拡大し消費者との距離を縮めてきた。ここに来て消費不振が目立ち始めたほか、米アマゾン・ドット・コムなどネット通販の成長がコンビニにとって脅威となっており、消費者の需要を取り込む新たな戦略が不可欠になっていた。