最新鋭ステルス機F35、17年に岩国配備 米軍、国外で初 :日本経済新聞
米軍岩国基地への配備が明らかになったF35=米ロッキード・マーチン社提供↓
【ワシントン=吉野直也】パネッタ米国防長官は18日、ワシントン市内で講演し、米軍の最新鋭ステルス戦闘機F35を2017年に米軍岩国基地に配備する考えを明らかにした。米国外への配備は初めてとなる。軍備増強を続ける中国や事実上の弾道ミサイル発射を強行する北朝鮮を見据え、米軍がアジア太平洋地域での有事に機動的に対応する狙いがある。
パネッタ氏は講演で「イラクからの駐留米軍撤退やアフガニスタンへの治安権限移譲に伴い、アジア太平洋地域での米軍の影響力と能力を高める」と表明。そのうえで「17年に米軍岩国基地にF35を配備する。米国外では初めてだ」と明言した。アジア太平洋地域で米軍のステルス戦闘機F22や垂直離着陸輸送機オスプレイとともに、F35を展開させる方針を示したものだ。
F35を巡ってはカーター米国防副長官が先に米軍嘉手納基地への配備に言及していたが、時期に関しては触れていなかった。パネッタ氏がこの時期にあえてF35の配備の時期を明示したのは、中国航空機による沖縄県・尖閣諸島上空の領空侵犯や北朝鮮による事実上の弾道ミサイル発射など東アジア情勢に流動化の兆しがあるためだ。
米英豪など9カ国が共同開発に取り組むF35は第5世代に分類される戦闘機。相手のレーダーから探知されにくい軍事技術であるステルス性が高い。米ロッキード・マーチンが3タイプを開発し、米軍は約2500機を調達する予定。日本も航空自衛隊の次期主力戦闘機として42機購入する。