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閑話休題 「ブラジル旅行の大量写真からの日本再生のヒント/土居伸光 」その2

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閑話休題「ブラジル旅行の大量写真からの日本再生のヒント/土居伸光」その2 …とても前向きな社会ですね、素敵な旅だったのでしょうね!

 

前編はこちら… 閑話休題 「ブラジル旅行の大量写真からの日本再生のヒント/土居伸光 」


土居 伸光 20時間前 ブラジル続き・・・ブラジルは巨大で多様性に満ちた国だ。南部はヨーロッパ人を中心と人種構成で、中部のサルバドール周辺は、黒人が絶対的な多数を占めている。日本人の感覚からすれば、まったく別の国といっても過言ではない。
ブラジル旅行は常に、予定はあるものの未定という状態。車が予定の時間に来なかったり、壊れて動けなくなっても皆平然としている。あるがままに、あるがままに、である。サルバドールに入ってから、その傾向が一層強くなった。ここでも社会の底辺にいる人々を支えようとする人たちと色々話し合う。
子供たちの非行を防ごうとして、毎夜、踊りと武闘を兼ねたカポイエラ(写真)が路上で行われていて、車はその横を申し訳なさそうに通っていく。
閉鎖した工場跡地を占拠して、市民の活動の場にしているところへも行った。日本なら騒動になるけど、ブラジル式占拠は隊列を組んでサンバを踊りながらやったんだと、案内のリーダーは楽しそうに語り、そのときの写真を見せてくれた。(続く)
 
(ブラジル続き2) サルバドールから飛行機で首都ブラジリアへ。飛行機乗り換えでほんの数時間の時間を利用して街に出てみたが、人工的に作られた街は、だだっ広いだけで、何の興味もそそられなかった。
ブラジリアから、ベレンへ、そしてさらに飛行機を乗り継いで目的地であるアマゾン流域のサンタレンへと向かう。辺りは既に暗く、すぐに船着き場へ。写真の船に乗り込み漆黒の闇に向けて出港。遥か彼方に稲妻の閃光が走るが、あまりにも遠すぎて雷音は聞こえてこない。
船のデッキにハンモックを吊るし、寝る。朝、目覚めると船はゆっくりとアマゾンの保護区に入っていく。(続く)
  (ブラジル続き3) 船がゆっくりとアマゾンの支流を進む。川幅が狭くなるに従い、誰かに監視されているようだ。でも樹木に遮られて何も見えない。
やがて船は川辺に乗り上げ、そして梯子が下ろされ僕たちは船を降りた。目の前の広場のあちこちに家が点在しているけど、誰もいない。立ち尽くしていると、やがて何処からか長のような人物が現れる。その光景はまるで西部劇で見た雰囲気に似ていた。
アマゾン地区を管理する政府の人間が許可書を提示する。長が了解し、その長について歩き出すと、何処からか人が湧いてくる。どの保護区に行っても一番に周りに集まってくるのは元気な子供たち。
アマゾンの保護区は、たとえブラジル人であっても、許可なくしては入れない。視線を感じたのは、川岸から僕たちを監視していたのだろう。
五か所の保護区へ行ったけど、どの保護区にもあったものは、キリスト教会と学校とサッカー場(ただ周りの木を切って整地した素朴なもの)。電気といった文明の利器は一切ないけど、災害時の連絡用に学校にはソーラー発電機が置かれていた。

 
(ブラジル続き4) 保護区でも住民が集まってよく話し合いが行われているとのこと。でも、何処の保護区も実験を握っているのは女性とのこと。破壊的な男より女性の方が自然を慈しむという気持ちが強いからかもしれない。
アマゾンの保護区での主食は、日本のサツマイモに似たイモ。でも、これが曲者。そのまま食べたら猛毒で一発で死に至る恐ろしいもの。水に何日も浸した後、すりつぶす。モーターなんてものはないので、唯一の文明の利器、自転車を動力に使う。男は、一生懸命ペダルを漕ぐ。すりつぶした後、水分を抜く。写真の黄色い液体は猛毒。水分を取り去った後、鉄板の上で炒る。食べさせてもらったけど、お餅のようで、仄かに甘く、これが結構いける。(続く)
 

(ブラジル続き5)アマゾン地帯を守ろうとする動きと開発の動きは、激しくせめぎ合っている。ブラジル国内で携帯電話が最もスムーズに通じる地域はこのアマゾン地域とのこと。それだけこの地域で資源を巡って大企業が動いていることの証明。僕たちの船以外、他の船に出会合うことはなかったけど、たまに出会うと大型の船が工場から大豆を運び出す光景を目にする。
太古、人は他の動物たちと共存していたという光景に多々出くわした。水鳥たちは、恐れることなく僕の足元を通り過ぎていく。また、オウムがいつの間にかやってきて、恐れることなく僕の手の上に乗ってくれる。
長旅ゆえ洗濯物は溜りぱなし、アマゾンの川の真ん中の浅瀬に船を乗り上げてもらい、洗濯。ついでに川に使って久しぶりにすっきり。(続く)  
(ブラジル続き6)アマゾンから最終地リオジャネイロへ向かう。ここでもMST(土地を持たない農民)の人たちとの会合が予定されていたけど、連絡が行っていなかったようで、すべてキャンセル。お蔭で、普通の観光客状態に置かれる。
ボサノバの名曲「イパネマの娘」が生まれたというレストランで音楽三昧。観光用のサンバを見せてくれる店にも行ったけど、これまで旅の途中で何度か見てきたこともあって、手抜きの踊りに「金を返せ!」と叫びたくなった。
ブラジルの各都市を車で回ったけど、信号の青は進め、黄色は注意。これは日本と同じ。でも赤は、下手に停車しようものなら、「ホールドアップ」と銃を突きつけられるとのことで、ブラジルでは急いで進めという合図とのこと。こんな風に、日本人の感覚からすればおかしいことは多々経験させてもらった。
睡眠も十分にとれない大変な旅だったけど。出会ったブラジル人は優しかったし、楽しかった。ウルグアイ国境近くの山の中で見た星空も素晴らしかった。都会育ちの僕には、空にあれほどの星が輝いているとは頭では理解していても、実際に見て圧倒されてしまった。この思い出は一生忘れないだろう。(終わり)
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土居 伸光 ☜これも余興? 講演に、農業に、物書きに、忙しいはずの土居先生です!

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