専門は「解析のスピードアップ」とのこと。生物研究者が車?…発達させる発想=子どもや年寄りに優しい乗り物=走るエアバッグ、作ろう!…
TBS「夢の扉+」1月22日(日)#38「人にやさしい!走るエアバッグ」
ドリームメーカー/広島大学 総合研究科教授 升島 努 さん
世界初!“誰もケガをしない”夢の車を!
硬くない車〜100%安全を目指す『エアバッグ車』
『自動車のボディはなぜ硬いのか?』 誰もが常識として疑わない事に疑問を持った男がいた。広島大学教授・升島努。升島の専門は、細胞分析など生命のメカニズムを解明する「生命解析科学」。この分野の世界的権威だが、今、開発を手がけているのは、全く畑違いのモノ。車のフロントボディをエアバッグにしてしまうという新しい発想の電気自動車だ。「柔らかいエアバッグで覆えば、運転者だけでなく歩行者も安全な『誰もケガをしない車』ができるのではないか−」
その原点には、升島にとって忘れられない出来事があった。車で走り出そうとした時、目の前に飛び出してきた少女。寸前で事故を免れたが、自分の娘と同じ年ごろの少女を見て、事故の被害者や家族たちは、どんな思いでいるか・・・と考えた。 『交通事故の悲劇を少しでもなくしたい』。升島は自己資金で、エアバッグ車の開発に挑んだ。
研究や講演の合間を縫って通うのは、県内の小さな溶接工場。実用化に向けて大手メーカーに共同開発を申し込んだが、反応は「そんな車つくれるはずがない」。「それなら自分で作ってやる」と、溶接工場の社長をパートナーに、自動車の試作に取り組んだ。しかし、開発には多くの壁が立ちはだかっていた。
軽量化・コストダウン・・・。大手メーカーなら実験施設を使って取り組むことを、升島は、ホームセンターで見つけた部品で自らの手で作っていく。さらに難題のフロント部分のエアバッグの改良には、繊維メーカーやテントメーカーに、実際エアバッグ車に乗って衝突体験をしてもらい、試作を繰り返した。決してあきらめない升島の周りには、いつしかたくさんの仲間が集まった。
そして、迎えた最終段階。歩行者を想定しての衝突実験を実行。果たして本当に夢の車は完成するのか?
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79万円で「走るエアバッグ」を創る。「何故、何のため、、、強い信念で、その実現の為に仕事をする」上手く体験させ協力者を本気にさせる…大きなエアバッグ車! …衝突実験は成功!怪我をしない車!
小さな車体の車は、今からのEVの主力となる大きさ。60km/h、前後左右エアバッグの3人乗り三輪車、、、超安心車:町が一挙にオシャレになる!、、、早速購入希望車が来た…他人に怪我をさせない車、いいとしか言いようがない。今老人用4輪スクーターがあるが、車に乗って来た人には「車」を運転したくてしょうがないのです。この車なら、運転する方にとっても安心でトライできます。凄い、この開発精神がすごい!
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広島大学 第6回 升島 努 教授 (大学院医歯薬学総合研究科)
大学院医歯薬学総合研究科
創生医科学専攻
升島 努(ますじま つとむ)教授
細胞一つ一つを直接分子分析する最先端の技術を開発
升島教授の研究は、主に分析化学、薬学分野での分析法開発が中心です。
教授は常に新しい視点から研究に取り組み、最近「質量分析(※1)」を
用いた細胞分析において、新しい方法(※2)を確立しました。
新分析法によって教授が可能にしたのは、わずか1pl(※3)にも満たない
1個の細胞の動きをビデオで観察し、変化の瞬間、その中にひそむ数千種類
の分子を直接一斉に分析し、うごめいた分子が何であるかを、より速くより
的確に特定すること。このことは、ライフサイエンスや医療の加速に大きく
貢献するものと評価され、今年9月、日本分析化学会の2008年・学会賞に
選ばれました。
(※1)分子の重さを量って、その分子が何であるかを特定すること。2002年
にノーベル賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんの研究で注目された。
(※2)「Live Single-Cell Mass Spectrometry」Nature誌Editorがつけた名前。
ライブで生きたまま、1ヶの細胞の動きと物質を同時に分析する手法。
「見える細胞分子分析」。
(※3)1picoリッター=10のマイナス12乗
開発中の膜開閉式ドーム屋根
学生たちには「夢を持つ人間になってほしい」と語る升島教授。自身も常
に夢を追いかけています。教授の研究フィールドは、ライフサイエンスの
分野にとどまりません。現在建設中の、広島市民球場に代わる新球場に
「超低コスト開閉式ドーム」を設置することを目指して、県内4社と共同
開発(特許取得済み)していることもその一つ。「分析化学の先生がなぜ
ドーム?」との質問に「装置を開発して新しい可能性を拓くという自分流の
アプローチは基本的に変わりません。私は物理畑出身なので、原理原則が
わかれば、分析装置だろうがドームだろうが同じなんですよ」と升島教授。
その柔軟性、行動力に圧倒されました。
升島教授は、学生に「本質を見ろ!」と常に言っているそうです。
「私はオペレーターを育てているわけではありません。例えば、機械が出し
たデータを見て、なぜそのデータが出たのかという“なぜ”の部分を考える
こと。人に説明するときに『簡単に言えばこういうこと』と言えること。
これは物事の本質を見ていないとできません」と升島教授。
「考えることのできる学生、チャレンジしてくれる学生をこれからも育てて
いきたいですね。でも、最近はいい意味で「悪さ」をしてくれる学生が少な
くなって寂しいんです」とも。学生たちは身を持って実践している教授の
背中を見て育っていくことでしょう。