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memo ∞ 「南鳥島近海のレアアース資源開発:その経過」 

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  南鳥島近海のレアアース資源開発、その具体的進行は如何?…下記の記事からは、相当の進展が望めると思われる。

資源争奪(4) 地質学者が動いた  :日本経済新聞

 2012年10月19日、東京都庁7階の会議室。東京大学教授の加藤泰浩(51)は、都知事(当時)の石原慎太郎(80)と副知事(同)の猪瀬直樹(66)を前に、海底レアアース(希土類)の探査研究への協力を求めた。「日本の海には200年分以上の消費量にあたるレアアースが眠っている。日本が中国依存から抜け出す切り札にもなる」と熱弁をふるった。

加藤教授は「2年で決着をつけたい」と語る加藤教授は「2年で決着をつけたい」と語る

 約30分の説明の後、官僚批判で盛り上がった。その後、石原は念を押した。「先生、大丈夫だろうね。絶対あるんだろうね」。そして「後は副知事に任すから」。手応えを感じていた加藤だが、この言葉だけは引っかかった。6日後の辞任会見でやっと意味がのみ込めた。

 そして、猪瀬が後継者として都知事選に立った。政策提言には「南鳥島近海のレアアース資源開発を支援する」の文言。12月16日、埼玉県民の加藤は一票を投じることはできなかったが、下馬評通りに猪瀬都知事が誕生した。

 ハイテク製品の材料となり、日本の産業競争力維持に欠かせないレアアース。加藤は研究用試料として集められた泥を分析、11年に世界に先駆け太平洋の海底にも高濃度で眠っていることを突き止めた。12年6月には日本の最東端にある小笠原諸島南鳥島周辺での存在を明らかにし、一躍、時の人となった。

 もとは資源争奪とは縁遠い地質学者。環境変化に伴い出現するレアアースは、太古からの地球の歴史を読み解くヒントにすぎなかった。だが、10年秋、中国がレアアースの輸出規制に踏み切った。世界へ揺さぶりをかけようとする動きに目をつぶるわけにはいかない。領域と排他的経済水域を合わせた「日本の海」の広さは世界第6位。技術とアイデアで「日本も資源国になりうることを世界に示す」。

 海底から採掘できるかどうかを探る研究にはたくさんのお金がいる。国よりも早く動いてくれる相手は誰か。「石原さんに会いたい」。加藤は自著に記した。本を手に都議会議員が研究室を訪ねてきた。その後、トントン拍子で南鳥島がある東京都トップとの面談が決まった。

 今月21日には海洋研究開発機構の調査船「かいれい」が南鳥島に向かう。海底の泥を採取して詳しく調べる予定だ。「2年くらいで決着をつけたい」

 「泥の資源化」に向けて、地質学者の全力疾走が始まる。

(敬称略)


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