これで【水素社会】そろい踏みです! ホンダが少し心配でしたが、既に手を打っています…2015年発売とまで言っていました。残る問題は、水素の生産コストです。少ないうちは他の製品の副産物として安く生産可能でしょうが、メインに水素をつくるには、まだ明確なコストメリットは出て来ません。むしろ供給体制コストの方が高くつきます。ガスや石油が無くなっても大丈夫だ、というだけです。しかし、電力全体での安定性確保や地下資源の有効利用、電力備蓄体制整備を含めると、コストで単純比較しづらい、社会全体のエネルギー変革として捉えられます。一番エコなものは、やはり不滅なのでしょう! コストでも見通しが出来て来た今、大いに期待したいものです!
日産・ルノーとダイムラーとフォード、燃料電池車の開発で提携 :日本経済新聞
日産自動車・仏ルノー連合と独ダイムラー、米フォード・モーターは28日、燃料電池車の共同開発で提携すると発表した。2017年にも量産車を発売する。日米欧の自動車大手が組み、燃料電池システムや部品規格を共通化する。共同開発によるコスト削減で燃料電池車の販売価格を抑え、普及を加速させる。
日産・ルノー連合はダイムラーと資本提携し、既に燃料電池車の共同開発を進めている。これにフォードが合流した。4社の自動車生産台数は計約1450万台と世界の2割弱(11年、商用車含む)を占める。トヨタ自動車と独BMWも共同開発で合意し、合従連衡で規模を生かして部品の低コスト生産などを狙う動きが鮮明になってきた。
トヨタは15年の市販をめざし、1台500万円台程度を目標にしているとの見方もある。17年投入の4社連合は、さらに購入しやすい価格をめざすとみられる。
4社連合ではフォードが共同開発計画を取りまとめる。日産が電気自動車のバッテリーにあたる「スタック」の開発を主導、ダイムラーがスタックやモーターなどを最適に組み合わせる燃料電池システムの開発を指揮する。ルノーは新開発する燃料電池車の技術を採用し、量産効果によるコスト削減を後押しする。
燃料電池車は次世代エコカーとして、各社が開発を競ってきた。日米欧の大手が部品や車体構造を共通化し、課題とされてきた開発負担の軽減を実現する。燃料となる水素の充填施設の整備や充填方法の規格などインフラ面でも足並みをそろえることになる。
日産新連合、燃料電池車でトヨタ追撃 開発費抑え普及急ぐ :日本経済新聞
日産自動車―仏ルノー連合、独ダイムラー、米フォード・モーターが燃料電池車の共同開発を決めた。トヨタ自動車と独BMWの提携に続いて新連合が誕生する。日産などは提携で技術開発やコスト削減を加速しトヨタを追撃するほか、日米欧政府に燃料供給のインフラの整備を働きかける。実用化まで遠いとされた燃料電池車だが、大手の戦略提携で普及の時期が前倒しされる可能性が出てきた。
燃料電池車は従来のガソリン車や電気自動車(EV)とは大きく異なる。EVでも動力を生み出す電気は当面、発電のために石炭などが使われる。燃料電池車は燃料の水素を取り出すために天然ガスを使ったり水を分解させたりするが、化石燃料を使う必要が非常に少ないという意味で環境面で優れる。EVに比べて航続距離の長さや燃料の充填時間の短さなどでガソリン車とは遜色ないというメリットもある。
課題は車両価格の高さと水素供給のインフラ整備だが、世界大手の提携などで解決に向けて前進する。燃料電池車は10年前まで1台1億円といわれた。最近は急速にコストが下がっている。ハイブリッド車(HV)と駆動系の電気モーターなど多くの部品を共通化できるためだ。ホンダが2015年をメドに500万円以下の量販車を投入する方針を打ち出しているのも、HVでの量産効果を生かせる見通しがあるからだ。
トヨタとホンダは1990年代から燃料電池車の基礎研究を本格化しており、中核の発電関連装置など幅広い分野で技術力が強い。日産・ルノー、ダイムラー、フォードにとっては新連合を組まなければ、技術開発などで追撃が難しい状況になっていた。
日産などの新連合は提携でコスト削減を急ぐ。特に中核部品の燃料電池スタック(酸素と水素を反応させて電気を生み出す装置)や水素ボンベなどを共通化することで大幅なコスト削減を見込んでいる。
「消費者に手ごろな価格で燃料電池車を提供できる。各社単独で開発するより良い成果を出せる」。日産・ルノーと独ダイムラーの共同開発プロジェクトに新たに合流することになったフォードのラジ・ナイール副社長はこうコメントした。
今回の提携はインフラ整備を加速させるという意味でも重要だ。日産・ルノーとダイムラーは日欧連合にフォードを迎えることで、米国で燃料電池車普及への足がかりを築ける。水素ステーションなどの整備には政府との連携も不可欠だ。米政府との強いパイプをもつフォードと協力すれば、政策面での後押しを受けやすくなるとの読みもある。
日産などの提携は他社の戦略にも影響を与えそうだ。今後はGMのほか、独フォルクスワーゲン(VW)、韓国の現代自動車などの動きが注目される。新たな陣営作りに着手するか、あるいはトヨタ―BMWなどの連合に接近するかなど今後動きがありそうだ。