【プレミアム】▽ 意外な真実 電力源の構成比率 : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)
猛暑による電力需要の増大と電力の供給不足。日本ではこの夏、企業も家庭も一丸となって節電に取り組み、一年中で最も需要の高くなる8月中旬を停電もなく乗り切ることができた。今後日本のエネルギー政策は、脱原子力発電に向けて舵をとることが予想される。この夏、日本のエネルギー政策に関して真剣に考えた方も多いのではないだろうか。
エネルギー政策を議論していて、比較対象としてよく取り上げられるのはヨーロッパ諸国。特にドイツ、スペインや北欧の自然エネルギー政策が、一定の成果を収めており、いい点、悪い点双方で参考になる。こうした事例から、ヨーロッパは自然エネルギーで、電力をたくさん賄っており、原子力発電は必要ないという印象がある。
一方、「ドイツなどの自然エネルギー比率の高い国は、フランスなどの原子力大国から電力を買っており、そこに依存しているため自然エネルギーだけだとやはり難しいのではないか」などという意見もある。しかしこの点はある側面から見たものであり、ドイツ自体は他の国にはエネルギー輸出も行っているため、自然エネルギーの割合をある程度上げたところでエネルギー危機になるとも思えない。
ヨーロッパの電力事情を見ていると、電力自由化が相当進んでおり、国境と電力の発電・送電ネットワークが強く結びついていないように見える。国境は日本で言えば、各電力会社の管轄地域程度なのではないか。そこで、ヨーロッパ全体での電力ネットワークを一つの電力圏として、その発電方法によるバランスに注目をしてみた。(※データ元注意)
一方日本の比率はこうである。
よく見ると、ヨーロッパ電力圏では、依然として原子力の比率が比較的高いことに驚かされる。また日本の電力源はイメージとして水力が他の国に比べ多いのかと思っていたが、ヨーロッパの方が大きい。日本のその他(自然エネルギーなど)はとても少ないが、ヨーロッパでもイメージ程大きくない。
大きな傾向としては、どちらも火力が主役で、次に原子力が電力の主柱を担っており、水力が1割前後となっている。どちらも大きな違いがなく、世界の脱原発の道は険しいことがわかる。
参考に世界全体の電力源比率も見てみよう。
今後、中国やインドなど人口の多い国のエネルギー消費量は劇的に上がることが予想される。こうした中でエネルギー供給をどのようにしていくか、人類全体で考える問題なのではないだろうか。
※ データは総務省統計局 世界の統計2011より、2007年の電力発電量から作成。