「傷口には砂糖!」英国の病院でアフリカの民間療法が抗生物質よりも傷の治癒に効果を発揮している件 | IRORIO(イロリオ) - 海外ニュース・国内ニュースで井戸端会議
「傷口に塩を塗る」という言い方がある。では、砂糖を塗ったらどうなるのか?
こと健康に関しては何かと悪者扱いされる砂糖だが、英国ウェストミッドランド州の病院では、砂糖を用いるアフリカの民間療法が、床ずれや下腿の潰瘍、切断による傷の治療に絶大な効果を発揮している。バクテリアの成長には水分が必要となるが、傷に砂糖を塗ることで水分がそちらに吸収されるため、バクテリアの増殖が食い止められ、傷の治癒が促されるのだ。
この民間療法の導入に力を入れているのは、英国ウェストミッドランド州ウルヴァーハンプトン大学で成人看護学の上級講師をしているMoses Murandu氏(47)だ。出身地のジンバブエでは、家庭で当たり前のように行われている傷の治療法がイギリスではまったく見られないことに驚いたのがきっかけだったとか。
潰瘍のせいで片脚を切断し、血管も1本除去することになった62歳の男性は、抗生物質による治療を受けていたが、なかなか効果が出ず、砂糖(ここではグラニュー糖が使われている)の湿布をしてみたところ、たちまち傷がよくなり、今では痛みも感じなくなったそうだ。
切断等で大きな傷を負う患者は精神的なダメージも大きい。砂糖というごく身近な物質で傷がたちまちよくなる様子を目にすると気持ちが前向きになり、頑張ってリハビリをしようという意欲が湧いてくる。肉体面だけでなく心理的な効果も大きいのだ。
これまでに35人が砂糖療法を受け、副作用や悪影響は1例も出ていない。他の医師や看護師も効果を実感し始めており、ウェストミッドランド州では、Murandu氏を中心に、3つ病院で比較試験が行われている。