今日本の電力各社は、15〜20年契約で、今の円高を活かしつつ高値での予約契約を実施しています。原発に頼り切れない前提での手当です。一方、米国でのシェールガス生産本格化で、現在でも1/2〜1/3の価格が更に下落するかもしれません。何処がバランスの良い所か解りませんが、ガス輸入ウエイトが相当に拡大して行っても大丈夫なようです。長期で考えれば、再生エネルギーの技術開発による効率アップとコストダウンが急速に進むと思いますので、むしろ今契約している長期契約分がコストダウンの足を引っ張るかもしれませんね! 一番最後に、大阪ガスの値下げの報道を添付します。円高によるものかと思いきや、合理化努力によるものとしています。電力業界と同じ独占構造の企業でも、対電力会社への危機感の違いが今回の報道でしょう!
16年見通し 「シェールガス」増産
【ワシントン=御調昌邦】米エネルギー省は23日発表した年次エネルギー見通しの概要で、米国が2016年に液化天然ガス(LNG)の純輸出国になるという予測を発表した。地中の岩盤層に含まれる「シェールガス」と呼ばれる天然ガスの生産増などが背景。石油などの輸入も減少し、エネルギーの対外依存度が低下するとの見方も示した。
米国に豊富な埋蔵が確認されているシェールガスは00年代半ばから生産量が増え、10年時点で既に米国で生産される天然ガス全体に占める割合は23%にまで上昇。35年には49%に達し、21年には純輸出国に転じるとしている。ただ、一部にはシェールガスの生産には水質を汚染するリスクがあると懸念する声もあるという。
石油もメキシコ湾などでの開発やバイオ燃料などの普及で、石油消費に占める純輸入の比率は49%から36%に低下すると見込む。米エネルギー消費に占める純輸入の比率も10年の22%から35年に13%まで低下するとの見方を示した。
1次エネルギーの構成比をみると、石油が10年の37%から35年には32%に低下する一方、再生可能エネルギーが増えるという分析を示した。原子力は新設計画もあり9%を維持する。
エネルギーに関連した二酸化炭素(CO2)の排出量は20年で05年比7.5%減、35年で3.2%減にとどまる。
【モスクワ=石川陽平】ロシア国営ガス会社ガスプロムのミレル社長は23日、北極海の一部、バレンツ海にある世界有数の「シュトクマン・ガス田」(可採埋蔵量3兆立方メートル超)で生産を計画する液化天然ガス(LNG)の対日輸出を検討していることを明らかにした。東京電力福島第1原子力発電所の事故を機に、火力発電向けの天然ガス需要が高まる日本市場を有望視している。
(参照)
asahi.com(朝日新聞社):大阪ガス、小口料金値下げへ 標準家庭で月52円減 - ビジネス・経済
大阪ガスは20日、来年2月から家庭や中小の店舗など小口のガス料金を平均1.2%引き下げると発表した。料金原価を洗い直しての料金改定は米リーマン・ショック後の2008年11月以来3年ぶり。
標準家庭(1カ月の使用量33立方メートル)は月52円の値下げになる。ガス暖房を安く使えるように料金表の使用量の区分も増やす。一方、高効率な給湯器の普及に合わせ、料金表を作り直して割り引く。値下げは、IT化で減った人件費や新たな工法で減った修繕費などの効率化を反映した。
会見した尾崎裕社長は「節電期間だから設定したわけではない。新たな料金は需要を喚起するメッセージの一つ。ガスを使って頂きやすくなる」と話した。(溝呂木佐季)
(参照)あえて言う、ロシアと「ウィンウィンの関係」になるべし− 山田 高明 : アゴラ - ライブドアブログ