下記に、毎日新聞、読売新聞、朝日新聞、NHK報道をコピペ、微妙な所の違いがあります。7月の江藤浩之教授講演ではかなり詳しく解説されています。参照の上、ニュースのトップの動画を解釈して下さい。分けも解らぬ素人が理解するには、先ずマネベ、コピペして反復して近づきたいと思っています。しかし、なんだか、大変な発見に思えます。早く実際に使用できるようになることを期待します!
iPS細胞から血小板量産、京大発表 i
tbsnewsi さんが 2011/12/10 に公開
京都大学の研究グループが、iPS細胞から血小板を量産する方法を開発したと発表しました。将来は、輸血などに役立つ可能性があるということです。
さまざまな種類の細胞に分化できるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、血液成分の血小板を大量に作成できる方法を、京都大と東京大の研究チームが開発した。血小板は手術時の止血などに不可欠だが、凍結保存ができず、不足しがちだ。実用化すれば安定供給につながる研究として注目される。米カリフォルニア州で開催中の米国血液学会で11日午後(日本時間12日午前)に発表する。
東大チームは09年、ヒトiPS細胞から血小板のもとになる細胞「巨核球」に分化させ、血小板を作ることに成功した。しかしiPS細胞1個からできる巨核球は約40個ほどで、血小板の大量作成が困難だった。
京都大iPS細胞研究所の江藤浩之教授(幹細胞生物学)らは、増殖に不可欠な遺伝子と、細胞の老化を防ぐ遺伝子を巨核球の前段階の細胞に組み込んだところ、無限に増殖できる巨核球ができた。この巨核球1個から数十個の血小板ができ、免疫不全マウスに輸血したところ、止血機能が確認できた。
血小板は通常、採取から5日目に廃棄する。治療で繰り返し輸血する場合、白血球の型(HLA)が同じ血小板を輸血しなければならず、事前の確保が課題だが、巨核球の状態なら凍結保存できるため、大量作成し、必要な時に解凍して血小板を作り出すことが容易になる。
また、細胞に遺伝子を組み込むと、がん化する危険性があるが、血小板には遺伝子がないため、その恐れがないという。
江藤教授は「さまざまなHLAの巨核球のバンクを準備すれば、血小板を安定供給できる。3〜4年後には臨床研究を始め、人でも機能するか確認したい」と話した。【須田桃子】
iPS細胞から大量血小板…京大研究所 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
あらゆる組織や臓器の細胞に変化できる人のiPS細胞(新型万能細胞)から、止血効果のある血小板を大量に作り出す方法を、京都大iPS細胞研究所が開発した。将来的には、手術前に患者自身のiPS細胞から輸血用の血小板を作っておくことも可能になるという。12日に開かれる米国血液学会で発表する。
同研究所の江藤浩之教授や中村壮研究員らは、iPS細胞の作製に使われる遺伝子「c―Myc」が、血小板を作る血液細胞「巨核球」を増やすことに着目。iPS細胞が巨核球に変化する過程で、c―Mycと、細胞増殖を助ける別の遺伝子を細胞核に導入した。この二つの遺伝子を活性化する薬剤を加えて、巨核球を大量に増やした。
この巨核球からできた血小板を、マウスに注射して実験。血管を傷つけると、注射した血小板が数秒で傷口に集まり、止血することを確認した。
巨核球1個からできる血小板は、人間の体内では約2000個で、輸血には数千億個の血小板が必要とされる。江藤教授は「巨核球は大量に増やせるようになったが、そこから血小板ができる効率はまだ低い。効率を上げて、輸血に必要な量を確保する技術開発を進め3、4年以内には臨床試験を行いたい」と話している。
(2011年12月11日 読売新聞)
asahi.com(朝日新聞社):血小板、iPS細胞で限りなく増殖 京大グループ成功 - サイエンス
ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)で血小板を大量につくる方法を、京都大などのグループが開発した。血小板をつくる細胞をiPS細胞からつくる際、組み込む遺伝子を工夫することで、限りなく増やせる細胞をつくることができた。iPS細胞で課題とされるがん化の危険も避けられるという。米血液学会で11日発表する。
血小板は血液を固めて出血を止める働きがある。血小板が減る病気や大量出血する心臓手術などでは血小板輸血が必要だ。今回の成果が実用化できれば、冷凍保存できずに不足している血小板を、献血に頼らず高品質で大量に生産できるようになるという。3、4年後の臨床試験をめざす。
まず、血液のあらゆる細胞のもとになる細胞をiPS細胞からつくり、それを巨核球(きょかくきゅう)という血小板を生み出す細胞に分化させる。京大iPS細胞研究所の中村壮特定研究員らは、細胞を増やす遺伝子と細胞の老化を防ぐ遺伝子を入れ、巨核球のもとになり、限りなく増やせる細胞をつくることに成功した。その巨核球からできた血小板をマウスの体に入れ、正常に働くことを確認した。
体のあらゆる組織や臓器になるとされるiPS細胞から出血を止める血液の成分「血小板」を大量に作り出す技術の開発に京都大学の研究グループが成功し、献血で不足しがちな血小板の確保につながると期待されています。
研究を行ったのは、京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授などのグループです。研究グループでは、iPS細胞に特殊なタンパク質などを加えたあと細胞の老化を抑える遺伝子と、細胞を増殖させる遺伝子をそれぞれ一時的に働かせる操作を行ったところ、血小板の元になる細胞が出来たということです。この細胞は増殖する強い力を持っていて、事前に増やして凍結保存しておけば、必要な時に血小板に変えて利用することが可能だということです。血小板は、体の傷口を塞ぐ働きを持つ血液の重要な成分で、手術のあとの輸血などで使われていますが、長期間の保存ができないため、献血だけでは不足しがちでした。血小板を大量に作り出す技術が開発されたのは今回が初めてだということで、江藤教授は「数年以内には臨床研究を行い、実用化できるようにしたい」と話しています。
研究概要|江藤 浩之(教授)|研究部門|研究活動|CiRA(サイラ) | 京都大学 iPS細胞研究所
略歴1990年3月 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)医学科 卒業 1990年4月 国家公務員共済組合連合会虎の門病院 内科レジデント 1996年4月 帝京大学医学部内科循環器グループ 助手 1999年5月 米国Scripps研究所 博士研究員 2003年1月 米国Scripps研究所 上級博士研究員 2003年11月 東京大学医科学研究所 ヒト疾患モデル研究センター
幹細胞治療(高次機能)研究分野 助手・助教 2008年4月 東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター
幹細胞治療部門 助教 2009年1月 東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター
ステムセルバンク 特任准教授 2011年7月 京都大学iPS細胞研究所 臨床応用部門 教授
CiRA一般の方対象シンポジウム2011(江藤浩之教授講演)|動画|もっと知るiPS細胞|CiRA(サイラ) | 京都大学 iPS細胞研究所 2011年7月23日(土)に神戸で開催された、CiRA一般の方対象シンポジウム2011での、江藤浩之教授の講演です。iPS細胞から血液の中の特に血小板や赤血球を誘導する研究の現状や期待でされる応用方法について報告されています。(約24分)