2012.2.10天声人語に書いてあった「ブックレット」2品目です。
「森の生活」を書いた米国の随筆家ソローは忘れがたい言葉を多く残した。たとえば、「ほんの一瞬でも、お互いの立場から世界を見ることができれば奇跡が起こるだろう」(『ソロー語録』岩政伸治編訳)。とかく自分の立場にこだわりがちな人間への、時代を超えたメッセージと読める▼東京で読んだ昨日の声欄に、「がれきの受け入れ、広げよう」という訴えがあった。投書者は福島出身で、神奈川に住む男性。放射性物質を不安がる声に理解を示しつつ、冷静な筆致で全国に「処分の受け入れ」を呼びかけていた▼被災地の処理能力を超す大量のがれきは復興を妨げている。しかし放射能への懸念から、当初は手を挙げた自治体も、住民の抗議などでほとんどが撤回した▼「絆」であふれる世の中の、これが一皮むいた姿かと嘆く声もある。しかし住民が、とりわけ子育て世代が不安を抱くのはもっともだ。事故このかた、行政や専門家が膨らませた不信感はあまりに大きい▼支えあうことの意味を思いつつ、作家の落合恵子さんが創刊した原子力を考えるブックレットを開いた。創刊の辞にこうあった。「サブタイトルの『わが子からはじまる』は、そこから出発し、けれど血縁を越えて、という意味である」。冒頭のソローに通じるものをそれに感じる▼被災者は歯を食いしばり、冬の寒さに耐えながら、復興に向けて頑張っていると投書は書いていた。共に歩くために何を分かち合えるのか。難しいことだが考え続けたい。
わが子からはじまる原子力と原発きほんのきクレヨンハウス・ブックレット 001
お客様おすすめ度
☆☆☆☆☆
著者/訳者
出版社名
発行年月
2011年08月
サイズ
63P 21cm
販売価格
525円
ポイント
5ポイント *ポイントについて
発送時期
当日〜2日で発送 発送時期について
ラッピング
対象品
本の内容
子どもにどのような未来を残すべきか、という視点から、原子力・原発の仕組みと問題点等を、専門的な知識に偏らない広い視野で解説。
目次
はじめに 原発は止めるべき。それに向けてどう動いていくか
第1章 福島第一原発事故による放射能汚染の脅威
第2章 原子力って?原発ってどういうもの?
第3章 日本の原発 その現状と問題点
第4章 子どもが生きる未来のために、いまわたしたちがすべきこと
第5章 質疑応答 子どもを放射能から守るために
クレヨンハウス・ブックレット 002
お客様おすすめ度
☆☆☆☆☆
著者/訳者
出版社名
発行年月
2011年08月
サイズ
63P 21cm
販売価格
525円
ポイント
5ポイント *ポイントについて
発送時期
当日〜2日で発送 発送時期について
ラッピング
対象品
本の内容
子どもへの影響がもっとも気になる食べものの放射能汚染。人体への影響はどの程度あるのか等、データに基づいて具体的に解説。
目次
はじめに 3・11以降の「食」の原則
第1章 いま、わたしたちが「食の安全」のためにできること
第2章 放射線の人体への影響
第3章 放射線を除去する、食品の調理・加工の仕方
第4章 3・11後の食生活—放射能の取り込みを防ぐために大切なこと
第5章 現状を乗り越え、子どもたちに、原発のない世界を残していくために
第6章 Q&A 質疑応答