大昔より、国を治めること、即ち治水、とされて来ました。たまにしか来ないことへの備えが不足で、「想定外」=本当に想定の害です!東北三陸沿岸では、10mの堤防でなんとか防げた地区もあり、6メーターの長大な堤防でもひとたまりも無かったものもありました。今一度、311の思いが醒めぬ内に、素早く見直し、万全を期して欲しいものです。
国土交通省は29日、最大クラスの津波に襲われた場合、太平洋側の主要19港湾のうち高知港、清水港など8港湾で津波の高さが防波堤を上回るとのシミュレーション結果を公表した。同省はより高い防波堤の整備には限界があるが、強度を高めることは被害軽減のために重要として、近く補強策などの技術指針を示す。
同省は東海・東南海・南海地震や、東京湾周辺で発生する「元禄型関東地震」について、従来より震源域や地震規模を拡大して想定。数百〜千年に1回起きる最大の津波高を試算した結果、高知港は最も沖側の防波堤の高さが4.9メートルなのに津波は最大11.9メートルに達した。日高港(和歌山)も6.3メートルの防波堤に対し、津波は最大10.1メートルになった。
ほかに木更津(千葉)、清水(静岡)、和歌山下津(和歌山)、徳島小松島(徳島)、宿毛湾(高知)、宮崎(宮崎)の各港湾でも最大津波高が防波堤を越えるという。
津波高より防波堤の方が高かった東京港、横浜港、大阪港などでも、岸壁が低い一部コンテナターミナルは約60〜20センチ程度浸水する恐れがある。
同省海岸・防災課によると、防波堤は高波対策として整備されるが、津波被害を軽減する効果もある。最大津波に対して、防波堤をより高くして備えることは限界があるが、同省は東日本大震災の津波で倒壊した防波堤の状況を分析したうえで、津波に強い工法を検討、5月をメドに技術基準を改定する。
シミュレーション結果は同日、交通政策審議会の部会に報告。記者会見した吉田治・国交副大臣は「最大の津波をすべて防波堤で受け止めるのは限界がある。被害を抑える『減災』の発想が必要だ」と述べた。
最大クラスの地震を想定した津波高や震度分布の見直しは現在、内閣府などが進めているが、同省は今回、港湾に限って独自に試算した。