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東芝、水車の寿命2倍に 水力発電で新技術 油を使わず環境に配慮 <form id="JSID_formKIJIToolTop" class="cmn-form_area JSID_optForm_utoken" style="font-size: 16px; padding: 0px; margin: 0px;" action="http://www.nikkei.com/async/usync.do/sv=KN" method="post"> </form>東芝は環境負荷が少ない水力発電技術を開発した。水車の軸受け回りに油ではなく水を採用し、流出汚染を防ぐ。摩擦の起きにくい構造にして水車の寿命を2倍に伸ばし発電効率も高めた。世界にある水力発電の設備容量は2030年に09年比5割増える見通し。東芝は新技術を武器に国内外で受注を拡大し、水力事業の売上高を15年度に約600億円に倍増する。
水力発電所の水車の回転部に使う軸受けは通常、回転を滑らかにするために約300リットルの油を使う。だが、こうした油が河川に流出することが長年の課題だった。
水は油に比べ粘り気がないため、軸受けにかかる負荷に耐えにくい。東芝は軸受けの樹脂材料を工夫して耐久性を高め摩擦が起きにくい構造にした。発電効率も油と比べ0.1%高めた。
水力発電設備の水車は10年に1度、更新が必要だが、新技術を採用した軸受けだと20年程度は連続使用が可能。水車の寿命が2倍になる。水を使うと軸受けの温度上昇を防ぐ効果もあり、冷却装置など付帯装置の設置コストも抑えられる。
このほど群馬県が所有する中之条発電所(中之条町)など国内3カ所の水力発電所で新技術の軸受けを採用した水車を納入した。