今朝のNHKラジオ:ビジネス展望で寺島実郎さんが「アメリカの電力政策状況」を語っていました。シェールガス開発による変化とともに、原子力発電についても、新しき方式の開発に注力している=より小型の安全係数の高いものの開発に数百万ドルの予算を投入との事、軍関連以外で30年もの長期にわたり建設して来なかった原発を本格的の再開するにあたっての意思の現れなのでしょう。
今後どのような新技術が開発されるか解りませんが、安全で後処理が完全に可能であれば、原子力が絶対に駄目とは云えません。ただし、現在の原発は、改良されて来ているとは云え難しいのではないでしょうか。
河野太郎 @konotarogomame
ブログ更新:この夏関西の電力は足りるか bit.ly/HBM9ZR
政府は大飯原発を再稼働させようと躍起になっている。その理由として、再稼働がないと関西電力が夏に供給力不足になるとしているが、本当に関西電力は供給不足になるのか。
ISEP(環境エネルギー政策研究所)が数字をまとめている。
関西電力の2011年の夏の供給力の実績を見ると
水力発電 225万kW
火力発電 1415万kW
他社融通 522万kW
揚水発電 448万kW
原子力発電 337万kW
合計 2947万kW
これに対して需要は2784万kWだった。
政府は、今年の夏の需要予測を昨年を遙かに上回る3138万kWとしている。
この夏の供給予測として出されているのは
水力発電 193万kW
火力発電 1472万kW
他社融通 638万kW
揚水発電 185−270万kW
合計 2489−2574万kW
この供給力予測では、関電管内の自家発電の購入量を83万kWとしている。しかし、この数字は1000kW以上の発電容量のところからkWhあたり15円から20円という価格で購入するという前提でつくられている。
ISEPの試算では、関電管内で自家発電容量は700万Kw以上あり、購入価格を例えば50円に引き上げれば相当量の掘り起こしが可能だとみている。さらに価格を引き上げれば1000Kw以下の設備容量の自家発電も購入対象になりうる。
西日本全域で購入対象になり得る自家発電容量は2000万Kwあり、さらに現在は購入対象にしていないガスコジェネの容量がそれに加わる。
また、中部電力、中国電力、四国電力の供給力余力は800万Kw以上あると見込まれている。
揚水発電の能力も430万Kwあり、ピーク時にあわせて供給することは十分可能になる。
政府の供給予測では、水力発電のうち、黒部川第二の1−3号機と新黒部川第二の1−2号機が真夏に定期検査または工事に入るという想定になっているが、これは前倒しが可能だ。
火力発電に関しても一部、夏に定期検査に入ることを見込んでいるようでもある。
また需要サイドでは、様々な対策で200万Kw程度のピーク時の需要を落とすことができると見られている。
また、需給調整契約が88万Kw以上あると想定されている。
関西電力の2010年のピーク需要は3095万kWであったが、ピークから100万kW以内、つまり2995万kW以上の需要になった時間は、一年間でわずか30時間しかない。一年間の0.3%だ。もし、この30時間のピークカットができれば、必要な供給力は100万kW減少することになる。
政府は、再稼働を焦るよりも、まず、こうしたことをきちんと精査して、どれだけ関西電力管内に供給予備力があるか、国民に示すべきだ。
(参照)中日新聞:関電、今夏の電力不足は58時間 :話題のニュース(CHUNICHI Web) 2012年4月12日
関西電力の全原発停止が続いた場合、電力需要が昨夏並みだと、今夏に電力が足りなくなるのは計58時間で全体の2・8%となり、ほとんどの時間は電力不足を回避できる可能性があることが関電の公表データから11日、分かった。
関電は供給力不足のため、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働が欠かせないと強調している。今回は、供給力と昨夏実績の単純比較だが、需要が大きくなる時間帯の対策ができれば、再稼働を急がなくて済む可能性があり、短時間のピーク時対応が最重要課題と言えそうだ。
(共同)