ガソリン価格が上がっているのは日本だけではなく、米国でも同様です。ただし、米国1ガロン(=3.785リットル):約4ドル≒324円(1ℓ:1.05ドル≒84円)…日米の差は、1:1.8 …これはガソリンでの比較です。日本でのLPGガス(タクシー燃料)はガソリンの7掛け程度です。
日本では、1リットル150円≒1.85ドル(1ガロン:5.68ドル≒700円)
同様に、天然ガスでは日米は1:2〜3とされて来ましたが、米国の天然ガスが1/3〜1/4に価格低下して来ており、実質1:10程となりそうです。とても信じられる数値ではありませんが、これでも、円高でまだ助かっているのですから驚きです!…これは固定為替レートでの15〜20年の固定契約、石油と連動させる仕組みの中での契約での結果です。消費も促進していますから、今必死で先付け契約をしていますが、徐々に新しい実態に近い価格契約が増えて行くと思われますので、いつまでも燃料代としての輸入コスト高が続くことはありません。ロシアや米国、カナダそれにインドネシア他からの輸入も増えるはずですから、安値に落ち着いて行くと思われます。むしろ、地下資源の高価格は、再生エネルギーの高コストを容認し易くするかもしれません。天然ガスも再生エネルギー系も共にコストダウンして行く傾向になると期待します。
昨日のニュースで、米国ホンダがハイブリッド仕様の一部を天然ガス仕様に変更して発売している(昨年の4倍:台数は数百台レベルで少ない)と報道していました。日本のタクシー仕様車を一般売りする様なものです。走行距離のある時は初期投資が若干高くついても採算が合うのですが、未だ日本では考えられるバランスではありません。(米国でも供給SS投資が電気EV用の一桁高投資となるので普及難ありとのことでした)
下記の様に、原材料にそのまま使うことで、製品コストの飛躍的なコストダウンを導くことは、よく考えれば当たり前のことであり、雇用も確保でき、いいこと尽くめです。日本では、天然ガス確保を相当な手を打って行っており、この様なことも期待できる時代がくるやも知れません。ロシアでも国家収入の半分強が、石油天然ガスの供給によるものであり、その部分は中近東の国家と大して違いはありません。樺太(サハリン)でも天然ガスが出るのであれば、北海道ではどうなのでしょうか? メタンハイドレードは何とかなるのでしょうか、、、
シェールガス革命、企業動く 米国内に生産回帰 ダウ・ケミカル、世界最大級の工場 :日本経済新聞
【ニューヨーク=杉本貴司】新型天然ガス「シェールガス」の生産拡大が続く米国で、関連企業が大型投資に動き始めた。米化学大手ダウ・ケミカルは海外投資を見直し、米国に世界最大級のエチレン工場を造る。ロイヤル・ダッチ・シェルや、電炉最大手ヌーコアも工場建設を検討中だ。シェールガス革命ともいわれる低コストのガスの普及が、製造業の米国回帰を促す可能性がある。
米国では製造業の海外進出で生産空洞化が進んでおり、製造業の雇用者数は20年間で3割以上も減った。米オバマ政権は雇用増を狙って、5年間で輸出を倍増させる計画を策定。製造業の法人税率を25%に下げる案も提示した。さらにシェールガスでコストを低く抑えられるようになったことが、製造業の国内回帰の追い風になっている。
ダウ・ケミカルはこのシェールガスを原料に使い、米国内でのエチレン生産を本格化する。エチレンはプラスチック原料や合成繊維、医薬品などに使われる素材。これまでは安価な原料が手に入る中東などで投資を進めていたが、再び米国での生産にかじを切る。
同社は原料工場を含め、40億ドル(約3300億円)を投じてテキサス州に新工場を建設すると発表。2017年の稼働を目指す。新工場の生産能力は年150万トン。住友化学のサウジアラビアの合弁工場(年130万トン)を抜いて世界最大規模となるとしている。
新工場をテキサス州に置くのは大型のシェールガス田があるため。シェールガス由来のエタンを分解してエチレンを製造する技術を使う。ナフサからエチレンを作る従来設備に比べて、コストを20分の1以下に抑えられるとの見方もある。ダウは09年に閉鎖したルイジアナ州のエチレン工場も今年末に再稼働させる。
シェルも米国内にエチレン工場を建設する方針で、大型のシェールガス田があるペンシルベニア州を建設の候補地に選んだ。投資規模は数十億ドルとみられ、取引先などを含めて1万人の雇用創出が見込めるという。
鉄鋼では、ヌーコアが天然ガスを利用する「直接還元鉄」を米国内で生産する計画だ。7億5000万ドルを投じて新工場を建設する。
シェールガスの普及で米国では天然ガス価格が大幅に下がった。これを受け、三菱商事や中国石油天然気集団(CNPC)などは、北米で液化天然ガス(LNG)を合弁生産する計画を進めている。資源としての利用に加え、天然ガスを原料に使う製造業が米国内での生産に回帰する動きも出始めており、シェールガスを原料にエチレンを生産するダウなどの投資はその象徴といえる。