木造ビル耐火新技術 竹中工務店、4階建て可能 :日本経済新聞
耐火技術を施す大阪木材仲買会館のイメージ
竹中工務店は耐火性能を備えた「木造ビル」を可能にする技術を開発した。柱や梁(はり)に使う木質の建材で耐火性能のある商品を開発し、国土交通相の認定をこのほど取得。4階建てまでの木造耐火建築が可能になる。防火・耐火の規制により、大規模な木造建築が困難だった学校や病院などに展開する。
木造建築は木の風合いを生かせるうえ、鉄骨や鉄筋を使う建築に比べて建物の重量を軽くできる。基礎工事のコストを抑えられるメリットがあるが、耐火性能が劣るのが弱みだった。
今回、新技術を実用化する第1弾として、大阪木材仲買会館(大阪市)の設計を完了した。2013年3月の完成を予定している。
開発した木質建材は製材した板を張り合わせて強度を高めた耐火集成材「燃(も)エンウッド」。3層構造を採用しており、燃えても自然と火が消え建物を支え続ける。材料強度が高いため、柱の間隔は9メートルを確保でき、鉄筋コンクリート造と同等の建築空間も実現する。
火災を想定した公的な積載加熱実験では、1時間の耐火試験に合格。4階建てだけでなく、最上階から数えて4階下の階までを木造化した耐火建築物を建設することも可能という。