2012.4.23 の新聞掲載です。しかし、まともに額面通り信じられないのが残念です。メディアとしての解説があってもしかるべき数字です。
印象的には、ここまで来てしまった東電は「正直」、業界リーダーとしての責任がある関電は、目一杯の「オオカミ少年」…需要は一昨年の夏を基準で「節電」効果は無視、供給力も、夏場に「数カ所の水力や火力発電所点検」『揚水発電は余力ある数値」「民間自家発電からの購入増強意図無し」「他の電力会社からの送電は含めず」なのでしょう!
1〜2年は我慢してでも、再生エネルギーへの計画を明確にして、まだましな原発を稼働させつつ次世代へシフトして行く…このような事を明確に示せば、最終を脱原発にするかどうかは別としても、前へ進むはずです。今のままでは、40年越えの原発(原子力による金属疲労の危険性がある)や安全性が限られている古い型の原発も、区分無く、なし崩しに稼働させそうな気配を感じる。…まるで「3.11」は、無かったかの様な感じであります。そのまま進めば、国民は黙っていないと感じないのでしょうか?
今夏の電力、関電など3社不足…東電は余裕あり : 住宅・不動産ニュース : ホームガイド : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
政府は23日、電力9社がまとめた今夏の電力需給見通しを公表した。
供給力が需要に比べて16・3%不足する関西電力を筆頭に九州、北海道の3電力管内で供給不足の恐れがある。さらに、供給力の余裕が乏しい四国電力と東北電力を含めた5電力は企業などに使用量の抑制を求める可能性がある。昨夏、電力使用制限令が発動された東京電力管内は比較的、余裕がある見込みで、今夏は西日本の需給が厳しさを増しそうだ。
政府は同日、電力の需給検証委員会(委員長・石田勝之内閣府副大臣)の初会合で電力9社が示した需給見通しの検証作業を始めた。原発の再稼働はなく、2010年並みの猛暑を前提としている。
需給見通しによると、9電力の合計では供給力が0・4%不足する。昨年7月時点の試算(9・2%不足)からは改善した。西日本は3・6%不足するが、東日本は3・7%の余力がある。
火力発電所の出力の増加や、一般企業の自家発電設備からの購入分で供給量を計729万キロ・ワット、太陽光発電で35万キロ・ワットを上積みした。
一方、電力の使用量については、工場やオフィスなど大口の需要家と結んでいる随時需給調整契約などで、夏場の最大使用電力量を抑える必要性を指摘した。ただ、同契約による節電効果は9電力の合計で491万キロ・ワットと需要量の2・9%にとどまるとしている。このうち、関電管内は、37万キロ・ワットと需要量の1・2%程度の抑制にとどまる見込みだ。
(2012年4月24日 読売新聞)
電力不足、西日本で3.6% 今夏、原発ゼロ・猛暑で試算 9社、安定供給遠く :日本経済新聞
電力9社は23日、8月の電力需給が、東日本では3.7%の余剰、西日本では3.6%の不足となるとの見通しをまとめた。原子力発電所がすべて停止し、2010年並みの猛暑となった場合の供給余力(予備率)を試算した。政府は各社の試算を再検証し、5月上旬にも最終的な見通しをまとめる方針だ。9電力とも安定供給の目安となる「8%余剰」を下回っており、天候次第では全国的に電力不足が生じる可能性がある。
各電力会社は政府が23日開いた「需給検証委員会」(委員長・石田勝之内閣府副大臣)に試算を提出した。供給力が最大需要を下回るのは北海道、関西、九州の3電力で、関電は16.3%と大幅な不足。一方、東北電力は2.9%、東京電力も4.5%の余剰を見込む。
同委は今後、節電や揚水発電など各電力会社の供給力をさらに精査。各社の供給力を上げる余地があるかや、一層の節電でさらに需要を抑えられるかなどについて議論する見通しだ。
昨年7月時点の政府試算では、今夏に全国で9.2%不足する見通しだったが、今回は0.4%と不足分を圧縮できた。そもそも昨年の政府試算では節電効果を含んでいなかった。「原発ゼロ」、10年並みの猛暑という前提は同じでも、今回の試算は計1063万キロワットの節電による需要抑制を盛りこんだため、昨年の見通しより大幅に改善した。
各電力会社が示した節電効果はそれぞれが企業に実施したアンケート調査に基づいている。特に東京電力管内は昨夏、電力使用制限令などの影響で870万キロワットの節電となったが、東電は今夏も610万キロワットの効果を見込んだ。そのため、昨年試算の13.4%の供給不足から余剰に転じた。
関電の場合、数字上は計画停電や電力使用制限令は避けられそうにない。ただ「節電要請はしないといけないが、現時点で計画停電は検討していない」とする。仮に大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働が実現した場合の236万キロワットを単純に積み増すと8.5%の不足に縮小する。
各社の供給計画が計算通りにいくかは不透明な部分がある。原発に代わる火力発電所が故障などのトラブルを起こせば供給力が一気に低下する恐れがある。供給予備率をみると、渇水などの気候変動にも耐えられるとされる「8%」に届いている企業はゼロ。需給見通しはあくまで電力会社の試算を前提としているため、見積もりが甘くなっている面もある。