信濃毎日新聞[信毎web] 小水力発電広がる信州 年間供給量が全国1位
長野県内の小水力発電からのエネルギー供給量は、全国の都道府県の中で最も多いことが、千葉大学(千葉県)とNPO法人環境エネルギー政策研究所(東京都)が28日発表した再生可能エネルギーに関する調査で分かった。調査した同大の倉阪秀史教授(環境政策学)は「長野県は水源が豊富な上、高低差が大きい地域が多いため、小水力発電が広がっている」としている。
同大などは、2010年3月末時点で公表されていた全国の市区町村の太陽光、風力、地熱、小水力発電などの再生可能エネルギーの年間供給量を調査。発電量から熱量を表すテラジュール(テラは1兆倍、4・186ジュールが1カロリー)に換算して比較し、市区町村別のデータを都道府県ごとに合算した。
その結果、長野県の小水力発電の年間エネルギー供給量が1万3986テラジュールで最も多かった。2位以下は富山、新潟、群馬などだった=表。
小水力発電は、ダムのような大規模な構造物ではなく、農業用水や河川などの落差を利用してタービンを回して発電する。県内では、自治体が企業や研究機関と協力して小水力発電に向けて調査をしたり、協議会を立ち上げたりするなど小水力発電推進の動きが広がっている。
調査によると、太陽光なども含めた再生可能エネルギー全体の供給量は長野は全国4位で、地熱発電量が多い大分が最も多かった。