総務相「スマートTVで官民連携」 ICTサミット :日本経済新聞
情報通信分野の技術動向や将来像について議論する「世界ICT(情報通信技術)サミット2012」(日本経済新聞社・総務省主催)が11日午前、日経ホール(東京・千代田)で開幕した。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及や、企業などが蓄積する膨大なデータ「ビッグデータ」の活用などが促す「スマート革命」をテーマに12日まで開く。
冒頭あいさつした川端達夫総務相は「世界経済の不確実性が増すなか、成長エンジンとしてICTの重要性が増す」と指摘。「『ビッグデータ』『スマートテレビ』など成長分野への取り組みが重要」としたうえで、スマートテレビの国際標準化へ「基本戦略を策定し、官民連携の取り組みを進める」と語った。
エド・ヴェイジー英情報通信担当相は「規制もアナログからデジタル時代にふさわしく見直すべきだ」と強調。スマホ利用者急増に備えた過去最大規模の周波数帯域の開放や、ゲーム・アニメ業界への税優遇など英国の取り組みを紹介した。
ソニーのハワード・ストリンガー会長は「ICTが世界全体の学び方、働き方、遊び方を変えている」と指摘。日本の復活には「ネット時代に育った若者や女性の活用、リスクを恐れない勇気が必要」とも語った。
セッション「ビッグデータが生み出す新ビジネス」では、カナダ・オープンテキストのトム・ジェンキンス会長らが討論。顧客との関係強化には膨大なデータの分析・活用が欠かせないとの認識で一致。個人情報保護の重要性も討論した。