我が家も太陽光発電 1年で15〜20%安く 海外品やPB増 大出力型、170万円切る :日本経済新聞
太陽光発電装置の売り場を広げた家電量販店(ヤマダ電機LABI1日本総本店池袋)
家庭で使う太陽光発電システムの価格が一段と下がっている。売れ筋機種はこの1年で15〜20%下落。補助金申請や比較の目安になる1キロワットあたりの価格は40万円台になり、人気の大出力型は国の補助を使うと170万円を切る水準になってきた。低価格の海外製品が増えたほか、家電量販など消費者の身近な場所に取扱店が拡大。割安な商品の選択肢が広がってきたことが背景にある。
ホームセンターのカインズでは太陽光発電の価格が前年に比べ2割超下落した。売り場の担当者は「今の売れ筋は中国のサンテックパワーと京セラの製品」という。
標準的な工事費を含む京セラの「工事パック」は1キロワットあたり約45万円。標準世帯の約7割の電力を賄える4キロワットの場合、システムの総額は約180万円になる。
国の補助制度を利用すると支払額は170万円を下回る。独自の補助制度がある自治体も多く、より安く設置できる消費者もいる。
「量販店の店頭で太陽光パネルを見る機会が増えて関心が高くなった」。名古屋市に住む男性会社員(45)は戸建ての自宅屋根への設置を検討しているという。
ヤマダ電機は約700店で取り扱う。3月にはプライベートブランド(PB=自主企画)の販売を始めた。国内外のメーカーの割安な製品を組み合わせ1キロワット39万8000円と大手メーカーより2割安く抑えた。
同業のノジマも来年3月までに取扱店を約50店に増やす。ライバル各社は「他の家電製品と同じように価格競争は激しくなる」とみる。
価格比較サイトのカカクコムは今春、購入時に国や自治体から受けられる補助金の総額を算出するサービスを始めた。神奈川県藤沢市に住む60代の男性は「性能と価格を見比べて選びやすくなってきた」と話す。
太陽光発電協会(東京・港)によると家庭用の太陽光発電の設置件数は4月末で100万件の大台を突破。2011年度だけで23万件以上増えた。昨年4〜6月の平均価格は1キロワットあたり約57万円だった。
価格下落が進む中、商戦はさらに熱を帯びそうだ。自治体の補助金の枠は年度ごとの設定が多い。利用人数に限りがあるため、ボーナス支給と重なる夏場に購入を決める人が多いという。