韓国が漢字を復活できない理由 [著]豊田有恒 - 朝日新聞社広告局 - BOOK TIMES (広告特集) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
■韓国研究の第一人者が分析する漢字廃止論の歴史とその秘密
なんとも論争的な本である。著者はSF作家の肩書にとどまらず、コリアウオッチャー、韓国研究の第一人者としても知られる。本書では韓国の漢字派とハングル派の対立を取り上げ、原語の変遷のみならず、その根底に流れるナショナリズムについて考察を加える。韓国が漢字の廃止によって、教養の低下、語彙(ごい)の貧弱化、言語の伝達不足など多くのマイナスを抱え込んでしまったという分析が斬新だ。それにとどまらず、韓国で使われてきた漢語のほとんどが中国起源ではなく、日本起源であるというくだりは、まさに目からウロコが落ちる指摘といえる。
ハングル誕生の経緯をたどり、その言語事情を整理しつつ、要は漢字の効用と復活の意味を著者は説く。事実、明治の日本は、欧米の技術を導入するに際し、原語そのままではなく、新たな漢字語を作ることで、概念の理解と吸収に成功した。その知恵は韓国はもちろん、近代中国の発展にも貢献することとなった。漢字は習得に時間はかかるが、いったん覚えてしまえば、わずかなランニングコストで高い教養が保てるといった主張もなるほどと思わせる。
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内容紹介
〈韓国はもともと漢字の国だった。中国への従属関係 から公文書はすべて漢文であり、世宗(セジョン)王(ウン)が創製したハングルは蔑(さげす)まれ、知識階級が使うことはなかった。日本統治時代、日本製の漢語が大量に流入する。韓国で使われた漢字熟語の七、八割は和製漢語なのである〉 (「まえがき」より) なぜ、韓国は、漢字を廃止したのか。その後、復活論がわき起こるたびに潰されてきたのはなぜか。韓国研究 で名高い著者が、その深い謎に迫ります。
内容(「BOOK」データベースより)
韓国はもともと漢字の国だった。中国への従属関係から公文書はすべて漢文であり、世宗王が創製したハングルは蔑まれ、知識階級が使うことはなかった。日本統治時代、日本製の漢語が大量に流入する。韓国で使われた漢字熟語の七、八割は和製漢語なのである。なぜ、韓国は、漢字を廃止したのか。その後、復活論がわき起こるたびに潰されてきたのはなぜか。韓国研究で名高い著者が、その深い謎に迫る。
出版社からのコメント
韓国では時代によって漢字を教えたり教えなかったりで、漢字世代がまだらのように存在しています。韓国には、漢字派とハングル派の対立が根深くあるのです。 漢字を使用したほうが便利に決まっているのに、なぜ事はそう簡単に運ばないのでしょうか。 漢字の問題を通して、韓国の行きすぎたナショナリズムを考えます。
著者について
一九三八年、群馬県生まれ。若くしてSF小説界にデビュー。歴史小説や社会評論など幅広い分野で執筆活動を続ける一方、古代日本史を東アジア史の流れのなかに位置づける運動を展開する。 数多くの小説作品の他、ノンフィクション作品に『韓国の挑戦』『天皇と日本人』『騎馬民族の思想』『北朝鮮とのケンカのしかた』、祥伝社新書に『どうする東アジア 聖徳太子に学ぶ外交』『世界史の中の石見(いわみ)銀山』『日本の原発技術が世界を変える』がある。
豊田/有恒
1938年、群馬県生まれ。若くしてSF小説界にデビュー。歴史小説や社会評論など幅広い分野で執筆活動を続ける一方、古代日本史を東アジア史の流れのなかに位置づける言説を展開する。数多くの小説作品の他、ノンフィクション作品がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)