朝日新聞デジタル:紙よさらば…米ニューズウィーク誌、ネット化へ
紙よさらば…米ニューズウィーク誌、ネット化へ創刊79年の米国を代表する有力週刊誌、ニューズウィークが、ネット化される見込みであることが25日、わかった。同誌は2010年、多額の負債を抱えてわずか1ドル(約78円)で売却されていたが、その後も赤字体質が続いていた。
米ブルームバーグ通信によると、経営権を握る米ネット系企業IAC社のバリー・ディラー会長が25日、「紙からオンラインへ移行されることになるだろう。すべての選択肢を検討し、9月にも計画を発表する」と四半期ごとの電話記者会見で述べた。
ネット媒体への移行の時期や方法については、明らかになっていない。同誌は、今年も2200万ドル(約17億2千万円)の損失を出すと予想されているという。
同誌は1933年に創刊され、61年に米紙ワシントン・ポストの傘下に入った。タイム誌などと並び、米国を代表する雑誌ジャーナリズムとして質の高い報道を続けてきたが、近年はネット媒体に押されて部数と広告収入が減少。10年に推定1千万ドル(約7億8千万円)の負債を抱えて、米音響機器メーカー創業者の故シドニー・ハーマン氏に1ドルで売却された。
ハーマン氏は買収時、「ニューズウィークは国の宝だ」と述べ、雇用維持と雑誌発行を続けるという条件を受け入れていたが、その後、同誌がネットニュースサイト「デイリー・ビースト」と合併したことで、IAC社が実質的に経営権を握っていた。(ニューヨーク=真鍋弘樹)