アップル、放送中のCMや嫌いな部分をローカルで自動置換する特許を取得 - Engadget Japanese
「趣味」と呼びつつTVを諦めないアップルが、放送コンテンツ中の気に入らない曲や場面を自動的にお気に入りのメディアで置き換える特許を取得しました。米国特許の名称は「Seamless switching between radio and local media」、ラジオとローカルメディアのシームレスな切り替え。
音楽番組などでは、個々の視聴者に向けてプレイリストを作っているわけではない以上、興味のないジャンルや嫌いな歌手の曲が流れることもあります。アップルの発明はここで我慢して終わるのを待ったり局を移ったりすることなく、要らない部分だけ自動的に視聴機器のローカル保存メディアにすり替えて、番組側で置き換え元が終わればまた本来の放送に戻す仕組み。また置き換えに使うメディアについても、番組中でその前に使われていた曲にあわせるなど違和感をなくす方法が説明されています。
実際の仕組みについては、放送中の曲の判別には番組表などの既存メタデータを利用したり、音そのものを解析したりと、「適切なあらゆる手段」を用いるとされています。ユーザーの好みの取得についても、手元のデバイスにあらかじめ保存してあるライブラリや、再生履歴、あるいはもっと直接的に質問に答えさせるなど、「さまざまな方法がありうる」とするのみ。切り替えるアイデア部分が主です。
面白いのは、ラジオ番組中の興味のない曲だけでなく、トークやコマーシャルなど特定のセグメントについても自動置換の対象としていること。さらに音声のラジオに限らず、テレビなど映像メディアも範囲に含みます。つまり使いようによっては、音楽番組のトーク部分を前後の曲と合ったローカル曲で埋めて音楽だけに変換したり、嫌いなパーソナリティの出てくる部分だけなかったことにしたり、広告をローカル動画に置き換えたりすることが可能。いずれは「戦国武将が全員可愛い女の子」すら実現しそうな勢いです。
広告が挟まることを前提にした業界関係者は激怒しそうな思いつきですが、ネットワークやデジタル機器の力で娯楽のソースが爆発的に増え、またウェブでもメディアでも見たいものしか見ない・見たくないものは飛ばすことに慣れた消費者からすれば、興味のない内容をただ我慢するより魅力的であることはたしか。視聴者に、というより自動置換判定アルゴリズムを作る側に恐ろしい力を与える仕組みです。逆にいえば、判定用のプロファイルを使えば確実に有効なターゲット広告ができるということでもあります。
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