いよいよ、脱原発への布石強化の動きの一つでしょうか?
シェールガス開発400億円、資源機構が出資 カナダ西部、国際帝石・日揮の現法に :日本経済新聞
独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、カナダ西部のシェールガス開発に参画する方針だ。鉱区の40%の権益を取る国際石油開発帝石と日揮の現地法人に400億円を出資する。同機構の資金支援の対象を広げる改正法が月内に施行し、開発・生産段階で機動的な出資が可能になるのを受けた第1号案件となる。官民で資源確保を強化する。
国際石油開発帝石と日揮は現地法人を通じて、カナダのエネルギー大手ネクセンから、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州の3鉱区の権益の40%を取得することで合意している。この現法が年内に実施する第三者割当増資を資源機構が引き受ける。機構の出資比率は4割超になるもよう。
国際石開帝石などは2017〜18年の本格生産を目指し、日本向けの液化天然ガス(LNG)輸出も検討している。機構の資金はLNGプラントの建設やカナダ太平洋岸の輸出基地整備に充てる。経産省によると、本格生産に入れば、日本のLNGの年間輸入量の約5%に相当する日量約8万バレルの生産が見込める。
資源機構の支援対象はこれまで、資源埋蔵量を調べる試掘などが中心だった。法改正で、天然ガスや金属鉱物の権益を買収し、本格的に開発、生産に乗り出す日本企業への出資がしやすくなる。石炭、地熱分野の開発・生産段階でも、債務保証を通じて企業の資金需要に応えやすくなる。
経済産業省によると、天然ガスの場合で、探鉱段階のコストは数百億円、開発・生産段階では数千億円が必要になるという。こうした資金需要の拡大を財政投融資資金などを活用して支援する。
一方、投融資先の事業が失敗した場合、損失の穴埋めのために税金を投入し、国民負担を迫られる恐れもある。資源機構の前身の旧石油公団が油田開発の失敗で数千億円の累積損失を出し、廃止された経緯もある。このため、政府は日本企業に出資する場合も比率を5割未満に限るなど、同機構の権限拡大に一定の歯止めをかける。
原子力発電所事故後、電源に占める火力発電の比重が高まり、化石燃料の輸入が急増している。資源国は輸出規制を強めている。資源の安定調達に向けてガスや鉱物の権益拡大の重要性が高まっている。政府は6月にまとめた資源確保戦略で「権益獲得への資金供給機能の強化」を5本柱の1つに掲げており、今後も日本企業の海外での資源買収を資金面で支える方針だ。