先日、ヨーロッパで「自動ブレーキ法制化」の動きありと報道されていて、ビックリしたのですが、いよいよ現実です。燃費効率アップのPHV、HV、EV化の流れの速さより、こちらの現実的な流れの速さの方が勝っているかもしれませんね。全てに不完全でも、一般的な装着であれば、先日の京都の事故や高齢者の踏み間違い事故など、厳しいものにはならないでしょうね…超小型社の普及も含めて、高齢者社会対応を急ぐべきでしょう。
壁の直前で自動ブレーキがかかって止まったメルセデス・ベンツの車=東京都江東区
前の車に近づきすぎると自動的にブレーキがかかる「追突防止システム」を備えた車が注目されている。安全意識の高まりを背景に、追突のリスクを小さくする機能の一つとして採り入れるメーカーが増えてきたからだ。
■「アイサイト」が先陣
メルセデス・ベンツ日本は13日、追突防止システムを載せた4ドアクーペの試乗会を報道陣向けに開いた。時速20キロで40メートル先の壁に向かった車は自動的に急ブレーキがかかり、壁の数十センチ手前で止まった。
車の前面に付けたレーダーから出た電波が障害物に当たってはね返ってくる時間によって障害物との距離を測り、衝突の0.6秒前にフルブレーキをかける仕組み。「時速30キロ以下ならほぼ止まれる」という。
昨年11月から発売した主力のEクラスに初めてこのシステムを載せ、その後ほかの車種にも広げている。オプション装備でつけた場合は19万円高くなるが、これを選ぶ顧客が増えているという。
背景には、安全への意識の高まりがある。国内で注目されるようになったのは、富士重が2010年に一部改良した主力車種レガシィがヒットしたのがきっかけだ。障害物にぶつかると判断すれば自動で急ブレーキをかける機能「アイサイト」つきの車が、機能のない車より10万円高いにもかかわらず売れ始めた。
「追突すれば修理に10万円以上かかる。保険代わりと考える人もいるのでは」(広報)。今ではレガシィを買う客の7割がアイサイト付きを選ぶという。
アイサイトは小型車インプレッサやミニバンのエクシーガにも搭載済み。スポーツ用多目的車(SUV)のフォレスターなどにも載せる予定で、安全性能をスバル車の売りに育てようとしている。
■競う技術、過信は禁物
三菱自動車も10月に発売するスポーツ用多目的車(SUV)のアウトランダーに自動ブレーキの機能をつける。前面に付けたレーダーで障害物との距離を測る技術だ。フロントガラスに付けた二つのカメラが人の目のように前方を監視する富士重の仕組みとは違うが、こちらも「時速30キロ以下なら、ほぼ止まれる」という。価格は「アイサイトを下回る10万円以下で出したい」(中尾龍吾取締役)といい、開発競争も激しくなってきた。
スウェーデンのボルボも昨年から、レーダーとカメラを併用した自動ブレーキ機能をSUVやセダンに搭載。マツダは2月に発売したSUVのCX―5から追突防止システムを載せており、トヨタ自動車も「近い将来の商品化を検討している」(広報)という。
ただ、こうした機能は万能ではなく、過信は禁物だ。
ベンツや三菱自が採用するレーダー方式の技術では、前方の歩行者や自転車を認識しづらい。富士重のカメラ式は歩行者や自転車も認識できるが、霧や大雨など悪天候には弱い。
また、雪など路面が滑りやすいと、ブレーキの利きは当然悪くなる。スピードが出すぎていると、完全には追突を防げない。各社とも「あくまで安全運転を補助するシステム」と強調する。(豊岡亮、久保智)