”How are you?”は死語だった!? 外国人英語講師が教える「日本人のちょっとヘンな英語」(1/4) - ウレぴあ総研
“Fight!”
“Don’t mind!”
“How are you?”“
“What time is it now?”
“What's your name?”
どんなに英語が苦手でも知っている、これらのフレーズ。“Don’t mind!”略して「ドンマイ!」は小さなミスで落ち込んでいる人に声をかけるときの定番で、がんばっている人を「ファイト!」応援するのも日常的によく見られる光景です。“How are you?”“What time is it now?”は中学の初めに習う、間違いようもない基礎の基礎という印象があります。
Amazon 7netでも実は、これらの英語はすべて、ネイティブからすると違和感があるのだそう。「『ドンマイ』って、ずっと日本語だと思ってたよ(笑)」と話すのは、『日本人のちょっとヘンな英語』(アスコム)の著者であるデイビット・セインさん。日本で25年以上、英語講師を続けて来られた大ベテランです。今回は、セインさんを中心とする日本語が堪能な外国人講師陣の座談会にお邪魔して、「ちょっとヘン」な英語をうかがってきました。
●“How are you?”は死語!中学英語の教科書には、“How are you?”“I’m fine thank you.”と挨拶を交わす爽やかなキャラクターが必ず登場するもの。でも、実際はあまり使われない「死語」なんです。
ジェイミー:ハワイ出身。東京へ3年間留学。無類の子ども好きで、小学校の英語指導助手「ALT」を務める。ジェイミー: “Hey.”や“What's up.”など、もっとカジュアルな言い方をします。
セイン:現に今日、ここにいるメンバーに挨拶をしたときも“How are you?”とは言わなかった。初対面で、なおかつビジネスの場であったとしても、壁を作っているような印象を与えてしまうんです。また、もしも発言主がおじいさんだったら「こんにちは、ごきげんいかがでござる?」と聞こえるくらい、古臭い言い回しでもある。
マルコム:ネイティブであっても地域によって言い方は違います。僕の地元であるワシントンDCだと、“What's up?”ですね。
ジェイミー:ハワイの訛りでは“How's it, Brother?”なんて言いますね。相手が女の子なら、“Brother”が“Sister”に変わる。
マルコム:僕がインディアナ州の大学に通っていたときは“What you say?”が使われていました。“Hey.”と答えるのが正解なんだけど、初めて聞いたときは「何も言ってないよ?」って思ったな。
セイン:“What you say?”は、直訳すると「あなたは何て言ったの?」ですけど、ここでは「元気かい?」みたいな意味でしょうね。
「多いわ!」とツッコミたくなるバリエーションの豊富さですが、さらに時代によっても変化していくとのこと。最先端を追い続けようと思うと大変です。いっそ“How are you?”を貫き通せば、そのうち流行が巡ってくるかもしれません。
セインさんによると、日本語と英語では挨拶の意味合いも異なるのだそう。日本語における挨拶は「最低限の礼儀」ですが、英語だと?
セイン:「安全確認」の手段なんです。例えばエレベーターで出会ったときに“Hi”と言うのは、「私は敵ではありませんよ」というアピール。向こうが挨拶を返してきたら「お互いに安全だね」と確認できるでしょう? だから、フレンドリーなほうがいいんですよ。
なるほど。“Hi.”と言われたら“Hi.”とオウム返しにしたらいいのでしょうか?
セイン:同じ言葉を返すと、馬鹿にしているような印象を与えます。“Hello.”のほうがいいですね。逆に“Hello.”と言われたら、“Hi.”と返せばいいし、“How are you doing?”と聞かれたときも、“Hi.”でOK。
英語が苦手な筆者は疑問形を投げかけられただけで身構えてしまいますが、律儀に回答する必要はないようです。
つづく