宇宙ニュース #75 (2012.9.20OA)
CDRAのバルブ交換作業を行う星出宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)
9月24日、星出宇宙飛行士は、10月8日の打上げを目標としているドラゴン補給船運用1号機(SpX-1)の到着に向けた訓練や、9月25日に国際宇宙ステーション(ISS)から分離する予定の欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)3号機、「エドアルド・アマルディ」のハッチを閉じる作業などを行いました。
ドラゴン補給船運用1号機の到着に備えた訓練として、星出宇宙飛行士は、サニータ・ウィリアムズ宇宙飛行士とともに、キューポラのロボットアーム操作卓から行うISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)操作に慣れるために、およそ2時間にわたりSSRMSの操作訓練を行いました。
星出宇宙飛行士らは、恒久型多目的モジュール(Permanent Multipurpose Module: PMM)上の軌道上取り外し可能型グラプル・フィクスチャ(Flight Releasable Grapple Fixture: FRGF)をドラゴン補給船運用1号機の把持部に見立てて、SSRMSのエンドエフェクタ(把持手)とFRGFの位置ずれを補正しながら、SSRMSの先端ををFRGFに近づけていく操作などについて訓練を行いました。
また、ATV3の分離に向けた作業として、星出宇宙飛行士は、ATV3に搭載するNASAの再突入データ収集装置(ReEntry Breakup Recorder: REBR)の起動と設置を行い、設置後、ビデオによる記録撮影を行いました。
ユーリ・マレンチェンコ宇宙飛行士が、ATV3のハッチを閉じるために使用する器具や機器の準備を行い、ATV3に搭載してある煙検知器や照明、消火器、ダクト、換気ユニットなどの再利用可能な物品の取り外し作業を行った後、星出宇宙飛行士は、マレンチェンコ宇宙飛行士とふたりで、9月25日の分離に向けた最終準備として、結合部を補強するために取り付けていた締め具の取り外しや、結合部の記録映像の取得を行い、連結部のATV側と「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)側の両方のハッチを閉じて、空気漏れがないか確認する作業を行いました。
この日、星出宇宙飛行士は、二酸化炭素除去装置(Carbon Dioxide Removal Assembly: CDRA)のバルブの交換作業や、ISS内における微生物のバイオフィルム(菌膜)の成長を調べるNASAのVIABLE(eValuatIon And monitoring of microBiofiLms insidE the ISS)と呼ばれる実験に関わる作業なども行いました。