睡眠計 オムロンヘルスケア、枕元に置くだけで判定 タニタ、眠りの質を点数で評価 :日本経済新聞
見えない眠りの状態を数値やグラフで示してくれるのが睡眠計だ。眠りの状態をつかめれば、生活習慣の改善にもつなげやすい。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)にも簡単に睡眠の質を分析するアプリがあるが、専用機ならではの測定精度の高さ、データ分析や助言の充実をうたい、不眠に悩む人を引きつけている。
タニタ(東京・板橋)の「スリープスキャンSL―504」は計測ユニットとセンサーマットの一体構造。マットに組み込んだセンサーが脈拍や呼吸、体の動きを周波数や強度から検出し、SDカードに記録する。2年前に初めて出した睡眠計を改良し、寝具に合わせる調整を自動化するなど使いやすくした。
SDカードをパソコンに入れると専用の解析ソフトが分析し、覚醒、レム、浅睡眠、深睡眠の4段階をグラフで表示。深い眠りの割合や眠りのリズムなどから、睡眠を総合的に点数評価する。新たに算出の根拠をグラフで表示するほか、快眠を得るためのアドバイスも示す。日々の眠りの状態が分かるように、データを時系列で並べる「睡眠日誌」などの機能は従来製品から引き継いだ。
「点数が上がるよう生活習慣を見直すきっかけにしてもらえれば」と佐藤富男スリープ&ウェルネス事業部部長は話す。
オムロンヘルスケアの「オムロン睡眠計HSL―101」は寝返りや胸の動きを体に影響がない微弱な電波でとらえる仕組みだ。このセンサーは災害時の救助活動に使われる技術を応用して開発した。オートモードなら枕元に置くだけで、睡眠と覚醒のどちらの状態にあるかを判定。翌朝、画面に睡眠と覚醒それぞれの時間帯と、実睡眠時間を分かりやすく示す。
同社運営の健康管理サイト「ウェルネスリンク」にデータを送れば、眠りの状態を3段階で分析してくれる。週単位で実睡眠時間や寝付き時間、目覚めていた時間などをグラフにし、2週間単位で分析結果を通知してもらうことも可能。「体重や血圧、歩数なども同じ画面でチェックでき、体の変化が一目で分かる」(商品事業企画部の金光陽子主査)のが強みだ。
睡眠は5人に1人が悩みを抱えているといわれる。両社とも、生活を見直しても眠りの質が良くならなければ、専門医に相談することを勧めている。
(鈴木由美子)