再生エネルギー先進地にも、原発への過去投資の恩恵が現れている。
masaru_kaneko 金子勝 青森県は実は風力発電の導入量が30万キロワットで全国トップ。中でも六カ所村の大型蓄電池付き風力発電所は国有林にあり、特区制度を使って立地を可能にした。山形県も視察してますが、最悪の公共事業=核燃料再処理施設ではなく、こちらの方です。 goo.gl/Ut1xk
asahi.com:再生エネ導入へ 県ノウハウ伝授-マイタウン青森
六ヶ所村の風力発電所。
「卒原発」を掲げて再生可能エネルギー導入戦略を練る山形県に、青森県がノウハウを伝授している。青森は全国一多い風力発電を中心に、再生可能エネルギーの先進地。ただ、その原動力のひとつは、原子力のために張り巡らされた送電線でもある。
吉村美栄子知事が昨年7月、原発依存からの脱却と再生可能エネルギーへの転換を訴える「卒原発」を提言した山形県。9月に有識者からなる委員会を発足し、新たなエネルギー戦略を練っている。担当課は8月と10月の2回、先進地視察として青森県庁や六ケ所村の風力発電所を訪れた。
青森県は風力発電の導入量が30万キロワットで全国トップ。2位の北海道と競り合いながら、3位の鹿児島とは2倍近い差をつけている。山形県は、青森以外の視察も重ね、昨年12月に戦略の中間まとめを行った。報告書には、青森で実践済みの項目も並ぶ。
例えば、風力と太陽光発電の導入では大型蓄電池の併用を提案。出力が安定しない風力や太陽光発電は送電網を不安定化する懸念がつきものだが、いったん大型蓄電池に充電することで一定出力の運転を可能にした唯一の風力発電所が六ケ所村にある。
担当する山形県企画調整課の沼沢好徳戦略調整主幹は「青森県は、再生可能エネルギーの担い手業者が参入しやすい環境整備が進んでいた。負けられないと思った」と振り返る。
六ケ所村の大型蓄電池付き風力発電所は、開発が制限された国有林にある。青森県は特区制度を使って許可を得て、立地を可能にした。また、2006年には風力発電推進のアクションプランを作り、誘致に励んできた。
ただ、青森県が風力発電導入を進められたのは「地の利」もある。
ひとつは、夏も冬も風が強い下北・津軽両半島の存在。もう一つが、下北半島を走る容量の大きい送電線と、巨大な羽根を運搬する風力発電所建設に欠かせない道路網だ。
後者は東通原発や六ケ所再処理工場の立地に伴う面も大きく、県内の風力発電の9割以上は津軽より条件の良い下北に集中する。
山形県は戦略の中間まとめに、再生可能エネルギーの拡大に役立つ送電網整備の国への提言を盛り込んだ。青森県で再生エネルギーを担当する浜舘豊光エネルギー開発振興課長は「津軽半島も風力に適した環境にしたい。山形のような動きが広がるとありがたい」と話している