TBS「夢の扉+」1月15日(日)#37「風を集めて日本のエネルギーに!」
ドリームメーカー/九州大学教授 大屋 裕二 さん
『輪』に秘密が・・・発電量は従来の3倍!洋上に浮く“夢の風車”でエネルギー問題の解決を!
『洋上の自然エネルギーで、日本のエネルギー自給率を上げたい』
福島第一原発事故後、さらに注目される再生可能エネルギー。日本が抱えるこの喫緊の課題に“風穴”を開けた男がいる。「風のスペシャリスト」、九州大学教授の大屋裕二。大屋が取り組むのは、「小型の原発1基分に相当するエネルギー基地」となる風力発電だ。
風工学と航空宇宙工学の第一人者である大屋は、従来型の風車の約3倍の発電能力を持つ「レンズ風車」を開発した。秘密は、羽根の周りに付けた「輪」。太陽の光を集めるレンズのように、この「輪」が風を集める。
開発からおよそ10年。その道のりは決して平坦ではなかった・・・。
「風が弱い」「音がうるさい」などの問題があり、日本では普及が進まない風力発電。この問題を克服するため、気圧、渦・・と『風を読む』大屋の研究・開発が続く。そして、ようやく、自ら風を集め騒音も吸収する、「効率世界一」という“夢の風車”が完成した。しかし、さらなる試練が・・・。
2007年9月、砂漠緑化のため、中国甘粛省の砂漠に設置したレンズ風車。だが、砂嵐によって破壊されたほか、強風で羽根が吹き飛んだ。
自然の猛威と向き合いながら、一つずつ改良を進める。その大屋の周りには、町工場の経営者達が集まった。日本の町工場が持つその技術力を生かして、風車を進化させ世界への普及を目指す。
“夢の風車”の実用化に向けて、大型化を進めるなか、もう一つ課題が立ちはだかった。日本は、風車を設置できる「場所」が限られている。そこで大屋が出した答えは「洋上への進出」。日本を取り囲む広大な「海」に浮き島=『浮体』を設置して、風力に太陽光や波力をも利用した複合的な発電を行うという世界初の試みに挑む。浮体の上での洋上風力発電は成功するのか。壮大な実験への挑戦を追う!
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前から知られていた方式ですが、やっと実証プロジェクトが始動しはじめました。再生エネルギーの中で有力な「風力」、中でも「洋上」、しかも「レンズ風車」で効率3倍!そして日本に技術優位性のある炭素繊維使いで軽くてメンテ簡単になれば言うこと無しです。この方式でも最終的には直径90m級をみこんで70ケ連結し、原発1基分相当の発電を計画しているとのことです。三菱重工が入手した「油圧ドライブトレイン方式」によるメカ軽減等も加えていければ、天下無敵となるのではないでしょうか?(三菱の方は直径160m級を立ち上げると豪語していますが)
海洋工学の経塚雄策教授はじめ九州大学の一群の先生方や岩永康弘氏はじめ30社の職人の魂のこもった製品つくりに支えられて漸く海上での実証実験に入ったのです。将来的には、風力のみならず、波力や潮力、太陽光発電も含めた洋上の発電所をつくる構想で進んでいます。
早く実証実験を終えて、魚の養殖も含めて、各地に立ち上げて欲しいものですね!
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カーボンファイバーで作ってあるので、海に浮かす事が可能。発電コストは太陽光より安いとみられている
「風レンズ風車」を採用。六角形浮体の内水面を魚の養殖いけすに使ったり、浮体の外縁に波力発電装置を備えたりするなど、複合的な海洋エネルギー基地としての活用を目指す。
九州大学SCF研究会
参照: メモ「洋上風力発電/三菱重工業」 - 鶴は千年、亀は萬年。
参照: http://www.justmystage.com/home/sekitsu/file/J1.pdf