森下仁丹・三菱商事、工場排水からレアメタル効率回収 微生物入りカプセル活用 :日本経済新聞
森下仁丹は三菱商事と組み、レアメタル(希少金属)を回収するカプセルを2013年にも実用化する。レアメタルを吸着する微生物をとじ込めたカプセルで回収する仕組み。カプセルが入った装置を電子部品などの工場にある排水浄化設備に組み込む。工場排水から効率よく回収し、再利用につなげる。
森下仁丹は経済産業省からの補助金を含め総額5億円を投じ、滋賀県長浜市にカプセル製造工場を新設する。13年3月に稼働させ、同年後半に生産を本格化。三菱商事はカプセルの入った装置を工場に販売・レンタルする。装置内のカプセルは随時交換する。価格や販売目標は今後詰める。
森下仁丹が食品や医薬品で培った独自技術を活用。カプセルの膜を通って入り込んだレアメタルを微生物が吸着した後、カプセルを燃やし、レアメタルだけを取り出す。既存の設備に装置を組み込むだけなので、導入コストも低いため、中小企業にも販路を広げる。