ロサンゼルス国際自動車ショー スマホ連動など技術革新に注目(12/11/29)
【ロサンゼルス=杉本貴司】エコカーの見本市とされるロサンゼルス自動車ショーが28日、開幕した。米自動車3社のほか日本、欧州、韓国の大手が最新の戦略車を出展。電気自動車(EV)など24車種が世界初公開となる。その中でトヨタ自動車はあえてエコカーのイメージとは遠い多目的スポーツ車(SUV)の新モデルを公開。需要が堅調な米国で「即戦力」を重視した。
環境規制が厳しいロスでは世界的にもエコカーの需要が大きく、各社は低公害技術を競うことが多い。今回も米ゼネラル・モーターズ(GM)が同社初の量産型EV「シボレー・スパークEV」を公開。米フォード・モーターは排気量1リットルの小型エンジンを搭載した「フォーカス」を出展した。ドイツ勢ではフォルクスワーゲンが新型のハイブリッド車(HV)や、低公害型のディーゼル車を展示した。
だがショーの先陣を切ってトヨタが公開したのは主力SUV「RAV4」の新モデルだ。同車の全面改良は2006年以来4回目で、来年1月に米国で発売する。現行モデルは日本も含め世界150カ国で販売するが、新モデルについては日本での販売は「未定」としている。排気量2.5リットルの中型エンジンを搭載し、現行と比べ燃費の改善率は11%にとどまる。
RAV4はトヨタの米国販売では「カムリ」「カローラ」「プリウス」に次ぐ主力車。得意のHV技術を展開する上位3車種と比べ、ガソリン車でアウトドア派のニーズが強いRAV4はエコ志向とは異なる顧客層の拡大に貢献してきた。
09年に17.0%だったトヨタの米新車販売シェアは、12年(1〜10月合計)で14.4%に低下。メーカー別順位もフォードに抜かれ3位に後退した。直近ではHVの販売が好調だが、シェア挽回に向けて一段の販売上乗せのため新型RAV4を消費者にアピールする考えだ。日本勢ではホンダも11年に投入し、現地メディアなどから酷評された小型車「シビック」を大幅に改良して巻き返しを図る。