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メモ「けい藻岩&褐炭からメタンガス:微生物で天然ガス生成」

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 日経の記事です。今まで余り聞かなかった施設ですが、いろいろと国家的な研究をしているものです。未だ良く理解できていませんが、おそらく、放射能廃棄物の地下貯蔵についての研究なのではないかと思います。施設は存続そのものも厳しい状況のようですが、原子力とは全く逆の「微生物によるメタンガス発生」技術を見つけ出しているようです。いつ現実的なものとなるかは不明ですが、埋蔵量の膨大なものから天然ガスが採れるのであれば、技術の進歩とともに現実化した「シェールガスの再来」となるかもしれません。タンカー座礁等で海洋に広がった石油被害も「石油を消化する微生物」を繁殖させ投入することで10年できれいな海岸を回復した事例もあります。微生物を上手く利用すれば、元々有機物の世界であり、可能性は高いと思われます。大いに期待したい技術ですね!

メタン生産効率56倍 :日本経済新聞

北海道科技センター、けい藻岩で微生物培養 

 公益財団法人の北海道科学技術総合振興センター(札幌市)幌延地圏環境研究所は、日本全土で採掘できる「けい藻岩」や石炭の一種「褐炭」から天然ガス成分のメタンガスを発生させる微生物を発見した。褐炭からメタンを作る微生物はいたが、けい藻岩を使う種類は世界初という。メタン生産効率が最大56倍と高く、廃炭鉱などをガス田に変えられると期待している。2020年までの実用化を目指す。

 新微生物は北海道幌延町などの地下深くで見つかった。5グラムのけい藻岩に培養液50ミリリットルを混ぜると、5週間で岩1グラム当たり3.5ミリリットルのメタンが取り出せた。褐炭では4週間で同6ミリリットルだった。けい藻岩は植物性プランクトンの死骸などが堆積。この有機物を微生物が食べ、メタンを排出する。将来は廃炭鉱などの地下に培養液を注ぐ方法を想定している。

 産業技術総合研究所の鎌形洋一博士は「低コストで地下資源が有効活用できる」と話す。不純物が多くて使い道がほとんどない褐炭は、稚内市の天北炭田だけで約20億トンの埋蔵量がある。

幌延 at FDS (写真等コピーできませんのでURLから入って下さい)

幌延地圏環境研究所(幌延ライズ) ゆめ地創館は、深地層研究センターのPR施設として、地下施設での研究紹介、核燃料サイクル・地層処分の紹介などを行っています。また、2010年度より、原子力環境整備促進・資金管理センターとの共同研究契約に基づく事業として、「地層処分実現模試験施設」が併設されています。

主な研究成果 プロジェクト研究「低温熟成チーズの開発」
幌延は酪農の町です。牛乳を活かした新しい特産品ができないかということで、地下の微生物の中から、牛乳を凝固する微生物を探し、地下マイナス182mで、10℃以下での低温発酵が可能な低温乳酸菌を見つけました。施策したところ、クリームチーズ状の、冷えてもかたまらないチーズができたそうです。なお、プロジェクト研究は既に終了し、研究成果については、製法の特許を幌延町が出願して、町民の有志が現在生産を目指して工房(幌延チーズ工房設立研究会)の立ち上げを行っています。 珪質泥岩の機能性材料としての性質調査
幌延で算出する珪質泥岩は、珪藻という植物プランクトンが泥と一緒に降り積もってかたまった地層で、とても細かい穴があり物質を吸着する性質が特徴です。メタン、CO2、アンモニア、鉄などの吸着性能や、肥料に添加する遅延剤(肥料の成分を内部に貯めておき、徐々に放出する)、壁材として利用することによる調湿機能などについて調べています。 地下微生物によるメタン生成
深地層研究所で採取したボーリングコアやサロベツ湿原地下の微生物の遺伝子を調べたところ、二酸化炭素と水素を原料として、メタンを生成するバクテリアが複数見つかりました。このバクテリアを利用して、地下空間でメタンを生成することができるかもしれません。この地域の地下に広く分布している褐炭とこの微生物を組み合わせることで、資源としては密度が低く採掘のコストが合わない褐炭から、地中でメタンガスを取り出して資源化できる可能性があります。 地下微生物によるCO2固定
また、数は少ないですが、CO2を固定する微生物も存在しており、CO2の地下貯蔵による温暖化防止に役立つ可能性を研究しています。CO2固定による地下水・岩石・微生物環境への影響について、グループを横断した研究を行っています。 地下水の流れの解明
幌延地域は地下水が豊富で、自噴泉もあります。地下80メートルぐらいの所を流れている地下水は淡水ですが、深地層研究所で現在掘っている140メートル以上の深度では薄い塩水になっています。これは、かつて海だったころ、堆積時に閉じ込めた海水がそのまま残った「化石海水」であるという説が濃厚であり、現在調査中です。


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