東芝は流石という他ありませんね。原発の製造ではトップ企業だけに、脱原発の流れに、業界でも最初に対応しています。下記のスマートメーター〜グリッド構想では、理屈は判っていても実際に動くソフトの開発は大変なものです。また、小型の原発で海底のサンドオイル掘削の動力にする構想も打ち出しています(潜水艦の動力に使っている様なものでしょう/日本では原発使用していませんが、今の潜水艦動力は何れも電気なのです)スマートシティはそのものズバリで輸出出来ます。
下記の構想では、原発10基分程なのでしょうか? どでかい蓄電装置は大変ですが、分散型であれば、無限大です。太陽光・風力発電の備蓄/平準化にも大いに寄与することでしょう。
電力供給、家庭も一役 東芝、数十万世帯の蓄電池管理 需要ピーク時に活用 :日本経済新聞
東芝は家庭の蓄電池を束ねて電力の需給を調整する大規模な情報システムを実用化する。今月中に横浜市で世界初の実証試験を始め、2年後をメドに電力会社に提供する。家庭が割安な夜間電力を蓄えて夏場の昼間など需要のピーク時に電力会社に融通することが可能になる。政府が普及を後押しする蓄電池を電力インフラとして有効活用できれば発電設備への投資も抑制でき、電力料金の引き下げにつながる。
民間調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によれば、国内の蓄電池(定置型)の出荷量は2020年度に11年度実績の約20倍(1150万キロワット時)に拡大する見通しだ。1年間だけで東京電力管内のピーク需要の2割程度を満たせる巨大な蓄電池が設置されることになる。蓄電池にため込んだ電気を電力会社が自由に調達して活用できるようになれば、電力会社は設備投資も抑制でき、発電コストの引き下げにつながる。
国内では今後、発送電の分離や小売りの自由化などが段階的に実施される見通しだ。電力料金を需給に合わせて変える動きが増えるとみられる。消費者は夜間の安い電力を電池にため込み、値段が高くなる昼間に余った電力を売ることで、電池購入のコストも回収しやすくなる。
東芝が今月中に横浜市で始める実証実験にはソニーやシャープなど電池メーカーも参加する。各社が保有するビルや社宅など4カ所程度に蓄電池を配置。約5000キロワット(標準家庭の約1500世帯分)の出力の蓄電池について今後2年間、日々の気象データなどから電力の需給を予測する。夏場の昼間に気温が非常に高くなりそうな場合にはインターネットを通じ蓄電池を遠隔操作して割安な夜間電力をフルに充電、ピーク時に放電する。数十万世帯の蓄電池を集中管理できる。
電力会社が東芝の蓄電池管理システムを導入した場合、顧客の家庭などと蓄電池を自由に利用させてもらう契約を結び、電力料金の基本料の引き下げなどを提案する。
国内では政府が現在、蓄電池の購入費の3分の1を補助している。標準的な家庭で必要な蓄電池(容量5キロワット時程度)の価格は100万円程度だが、実際は70万円程度の負担ですむ。20年をメドに蓄電池の価格を現在の10分の1に下げる計画を掲げており、今後も普及促進に向けて政策が打ち出される見通しだ。
東芝の蓄電池の管理システムは世界各地で今後建設される次世代環境都市「スマートシティ」の中核技術となる。日本でいち早く技術の実用化に成功できれば、電力の慢性的な不足が続く新興国などに売り込むことも可能になる。