未だに、放射能汚染の排水や廃材をどうして行くか、試行錯誤であるのに、一方では、新設や輸出の課題が積極化して来ている。水だけでも2019年でようやく1号機の分を処理して、残りで処理しきれない分は海へ捨てていいものかどうかで揉めている。爆発した原発でこの通りであり、稼動していて横のプールに一時保管されていた使用済の燃料は、何年かかるかも分らない。処分が出来たとしても、埋める場所すら定まらない。原発の横で保管しか致し方ない様にも思われる。この辺りの問題を解決せずに、闇雲に稼動ありきでは、子孫につけをまわすことにしかならない。北欧の原発後処理の様に、きちっとした情報開示と住民の理解下に処理が出来る様になるまでは、断層の有無や破損原因の追及以前の問題と思われる。新聞の論調も少しづつズレを感じる。
【福島第1原発の現状】試運転に向け評価大詰め 放射性物質の除去設備 : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)
東京電力福島第1原発の事故収束作業で、原子炉の冷却に使った水から約60種類の放射性物質を除去できる「多核種除去設備(ALPS)」の試運転に向けた安全性評価が大詰めを迎えている。
除去された放射性物質を保管する容器に強度不足が見つかり、東電は耐久性を上げる対策を取った。原子力規制委員会の21日の検討会で、試運転に踏み切れるかどうか方向性が示される見込みだ。
第1原発で貯蔵する汚染水は1月時点で約22万立方メートルに上り、千トン単位の汚染水タンクで構内に保管されている。ALPSは、従来の設備で除去できなかった放射性セシウム以外の放射性物質も取り除ける。東電の試算では、2月中に運転を始めれば2019年には保管されている汚染水の処理が全て終わる。
ALPSで除去される放射性物質は、濃縮してコンパクトな円筒形容器(直径約1・6メートル、高さ約1・9メートル)で保管する。ただ容器は樹脂製で、落下試験で中身が漏れ出るケースもあったため、昨年内に予定された試運転は延期となった。
東電はステンレスで容器を補強して強度を高め、移動時の落下防止策も取り入れた。東電は規制委側から「追加の宿題はない」との感触を得ており、早期の試運転開始が現実味を帯びている。
しかしALPSが稼働しても構内にたまった水そのものがなくなるわけではなく、処理後の水には除去できない放射性トリチウムも残る。東電は希釈した上で海洋放出を模索するが、漁業関係者を中心に反発は必至だ。
(2013年2月12日、共同通信)