国内需要も相当あります。国策戦略で、コストパフォーマンスの良いメンテ関連が容易な丈夫で長持ちの構築物と運営方法を開発して欲しいものです。
三菱重工やIHI 造船大手、海洋開発に活路 浮体構造物、ブラジルで受注へ組合 成長市場取り込み目指す :日本経済新聞
国土交通省は19日、ブラジル沖合の洋上プラントに、物資や作業員らを運ぶ中継拠点となる浮体構造物の受注を目指す技術研究組合の設立を認可したと発表した。組合には三菱重工業やIHI、ジャパンマリンユナイテッドなどといった造船・重機大手も参画。各社が技術を持ち寄ることで、韓国勢などに大きく後れをとる海洋開発分野への足がかりとする。
「J―DeEP技術研究組合」が受注を目指すのは、原油やガスの洋上プラントに物資や作業員を供給する中継基地となる浮体構造物だ。複数のヘリポートを持ち、高速船なども接岸できるようにする。
国交省によるとブラジル沖合では複数の洋上プラントなどが稼働し、現時点でも1日あたり1900人程度の人員輸送が必要という。今後も中継基地の需要は拡大するとみている。
日本勢はばら積み船やタンカーなど一般船舶の建造規模では、韓国や中国に次ぐ世界3位。だが洋上プラントなどの海洋構造物では建造シェアが1%以下。特化した製造設備をもたず、価格競争力もネックとなっている。
日本勢が得意とする一般船舶などの過剰感が一段と強まり、2014年には造る船がない造船所が出てくる懸念も浮上。こうした中、海洋開発の市場は12年で一般船舶と同規模の6兆円程度、20年には11兆円弱に拡大するとの試算もある。稼働率低迷に悩む造船大手にとって有望分野の一つだ。
足元でも成長市場を狙って海外進出の動きが広がっており、昨年には川崎重工業やIHIが、相次いでブラジルへの進出方針を打ち出した。
ブラジルは国営石油会社のペトロブラスを中心に海洋開発への取り組みが活発だ。だが、海洋開発船などは自国で建造する方針を表明しており、日本勢は地元企業に出資するなど、現地化を進めることでプロジェクトへの参画を目指す。
日本勢は洋上プラントに物資を運ぶオフショア支援船や、今回の洋上中継基地など周辺案件も取り込むことで、中期的に「本丸」の洋上プラント受注などにつなげていく青写真を描く。
洋上プラントの投資額は洋上石油・ガス生産・貯蔵・積み出し設備(FPSO)で1000億円規模、洋上液化天然ガス(LNG)生産設備ともなれば、2000億円を超えるとされる。日本勢はリグと呼ばれる構造物やLNGを貯蔵する特殊タンクなどの技術を持っており、「組合設立が海洋開発への後押しとなることを期待したい」(日本造船工業会の釜和明会長)という。