何のテストプログラミングかと思いきや、国家の為に女性の智慧をキープして行こうと云う大局的な話でありました。日本ではこんな話の前の前の段階であり、社会に進出できる道(子育ての社会的バックアップ体制)つくりからのスタートです。単純な少子化対応問題ばかりが、ようやく社会的な雇用需要を生み出し社会生産性拡大の道が、女性の活用であると気づき始めたところです。
女性の育児と仕事の両立は可能か〜スタンフォード大学による試験プログラム〜 - IBTimes:世界の最新ビジネスニュース
アレクサンドリア・パクセック(Alexandra Pucsek)さんは、自身のキャリアが軌道にのるまでは、家庭を持つことはできないだろうという人生設計を長く持っていた。
米国の女性にとって、教育と子育ての両立は綱渡りのようなものである。
しかし、ハーバード大学で生物学の学士号を取得し、卒業してから3年、研究技術スタッフとして働いていたパクセックさんは、この自分の人生設計をさらに延長することを決めた。大学に戻り、腫瘍学の修士号および博士号の取得を目指すのだが、これには少なくとも8年かかる。パクセックさんは現在25歳であり、研修医になるまでは、子どもを持てないと考えていた。
「最初の子どもは、どこかの研修医を行っているときに作ろうと考えていた」と、昨年2月に結婚し、現在は医療系大学の入学テストのために勉強しているパクセックさんは話した。
この修士号と博士号の取得は、教育関連をキャリアとする人にとって最も厳しい道のりである。特に20代から30代前半に家族を持とうと計画している女性には厳しい。必死でテニュア職(米国大学の教員ポストの一種で、終身雇用が約束される)を勝ち取るために、長時間の授業、研修生としての仕事、学位論文、研究、指導、発表へのプレッシャーなどを考えると、子どもを育てる時間はない。
内科医であり、スタンフォード大学メディカルスクール教授のハナ・バレンタイン(Dr. Hannah Valantine)氏は、「私たちは、この分野で成功するには時間がかかることを知っており、まっすぐ突き進むしかない。この道からそれることは、キャリアに非常にマイナスとなる」と言う。
医学に限らず、実に多くの女性が、自分の仕事ではなく、家族を選択している。実際に、テニュア職を得ようと挑戦しているすべての女性に同じことが言える。スタンフォード大学の教員育成・ダイバーシティ室の調査によると、アメリカで男女格差が少ない職場の一つであるスタンフォード大学でさえ、2011年9月時点で、学校の女性職員はたったの26.4%であった。そして、テニュア職に就いている女性は、たった21.3%であった。
ケース・ウェスタン・リザーブ大学政治科学助教授ジェシカ・グリーン(Jessica Green)氏(36歳)は、「男女格差は、社会的にはもはや認められていない。あなたが女性だから、という理由で何かを言われることはないが、現実には起こっている」と言う。
グリーン氏は、先月、出産を終えたばかりであり、1学期分の無給の休暇をとっている。これは、12週の無給の産休を認めなければならないという現法の代わりに、ケース・ウェスタン・リザーブ大学が産休を延長してくれたのだ。しかし、グリーン氏は、この休暇がテニュア職のためのキャリアに影響するのではないかと心配している。「テニュア職獲得までの時計を延長することを許されたけれど、疑問なのは、テニュア職の審査の際、『彼女は要件を満たすのに6年ではなく、7年もかかった』という風に見られはしないだろうか、ということだ」と同氏は述べた。
医学的な研究者や高等教育の環境下で、子どもを育てることと、プレッシャーのかかる高いレベルのキャリアを持つことをコントロールするため、女性は知恵を絞ることを要求される。
例えば、イエール大学マネジメントスクールの助教授エイミー・レゼスニエウスキー(Amy Wrzesniewski)氏は、3歳と5歳の子どもを持っており、来年、テニュア職に昇進することになっている。
「学術研究は、莫大な時間がかかる。しかし、どのように時間を使うかは自分で決めることができる。私は子どもたちが寝ている時間に働くことができる。私や他の多くの人にとっても、それが仕事をしていく方法である」とレゼスニエウスキー氏は述べた。
産休を単に取らない女性もいる。カイアマ・グローバー(Kaiama Glover)氏は、バーナード女子大学のフランス語の教授であり、最近、テニュア職に昇進となった。彼女の子どもは現在5歳であるが、その子を産んだときは、産休を取る権利があったにも関わらず働き通した。
「あの時は、まだテニュア職でなかった。思い返してみると、ストレスとテニュア職に昇進するという目標のために、赤ちゃんと過ごす時間を無視していた。もし、あなたが産休をとるのであれば、確かに時計の針は止まる。教育機関で働く者であれば分かると思うが、キャリアからの重圧からは逃れられないし、休暇中の不安は絶えない」とグローバー氏は言う。
教育機関や、医学分野や科学研究、他の保健医療分野の専門家の女性たちが、このような状況に直面していることに対して、スタンフォード大学のバレンタイン教授は、この問題に立ち向かうことにした。
「医療の学校の卒業生の半分は女性であるが、そのうちテニュア職に入れるのは20%以下である」とバレンタイン氏は予測している。また、スタンフォード大学で、テニュア職の男女差をなくすのに28年かかり、全米でみると、48年かかるだろうとしている。「私たちはすぐにでも、何かしたほうがいい。知性の高いグループを救わなければ、本当に研究や教育部門で、私たちが世界をリードできなくなってしまう」と言う。
2年間の計画の末、バレンタイン氏と社会科学研究者であり、博士号を保持しているキャロライン・シマード(Caroline Simard)氏は、今年、スタンフォード大学で試験プログラムを開始した。参加者は、自分たちの人生の目標を明らかにするために、自身を振り返る。その後、各生徒は自分の所属する学部長と、テニュア職の獲得や今後のキャリアについて話し合うというものだ。
「私たちは、彼らが現在どんなキャリアや生活かを聞き、3年後、10年後はどうなっているかイメージするように伝える。そして、現在は必死でフルタイムで働くつもりだが、3年後は少し落ち着いて、書類仕事をしたり、もしくは子どもがいる、と言うことができるようにする」とバレンタイン氏は言う。
スタンフォード大学のメディカルスクールで行われているこの試験プログラムでは、各自の家庭や仕事のバランスについて、スーパーバイザーに壁を感じずに話すよう指導されている。また、必要に応じて、ベビーシッターサービスや食事のホームデリバリーの調整も含まれているという。
「世の中ではこのような会話がなされておらず、話すこと自体がタブーとなっている」とバレンタイン氏は言う。「これは単なる女性の問題ではなく、優秀な頭脳を守るためという意味でも、重要な問題である」と同氏は語った。
この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。