全国には有機農業先進地域が結構あります。熊本圏阿蘇や島根県木次、他…そして、あの高度成長時代=農薬を一杯使用して来た時代(今はその時代の数分の1以下のはずです)には、殆どの生産者(農家)は自家消費用としての無農薬野菜を栽培してきています。今でこそ、生産後の鮮度管理が高度になっているので、漸く順調に流通に乗っていますが、過去数十年前には、その技術的な面でも大きな課題があったのです。勿論、無農薬で生産することの困難性・手間ひまは言うまでもありません。生産コストダウンの為にも、生産者若返りの為にも、関連の法律や組織のあり方も見直して、革命を起こして行って欲しいものです! 以下の様な地域がもっとどんどん増加して行くことを祈ります!
8chアンカー山本アナが現地から報道しています。福島の東和(二本松市)の様に、小川町と同じ様な試みをして来た地域もあります。[さぞかし無念なことでしょう]しかしながら、放射能を計測すると「有機・無農薬食品」では、通常のものより少ないか出ないことが確認出来ているとのことです。米も全量検査に入っているようです。地元生産の販売食品は殆どが検査しています。風評被害に陥ること無く、コストアップの差額は国が保証して、健全な農業を続けて欲しいものです。はねなければならないものは研究材料として処置して行けば良いと東大のグループが提唱しています。
自然がおいしい町埼玉・小川町 有機作物、町中で堪能 2012/2/15付
およそ40年前、埼玉県小川町に農薬や化学肥料をまったく使わない農場が生まれた。当初は奇異の目で見られた有機農業は「安全でおいしいものを食べたい」という人たちに支えられ、静かに広がる。かつて和紙の産地として栄えた町は今、有機作物を味わえるまちとして注目を集めつつある。
霜里農場の畑。化学肥料や農薬を一切使わない有機農法を徹底する
すべての出発点は、町はずれの「霜里農場」にある。今や視察が引きも切らない農場は、この町の農家に生まれた金子美登さん(63)が始めた。
田畑が広がるそばに鶏小屋があり、牛やアイガモもいる。これら家畜などのふん尿、山から集めた落ち葉が肥料となり、作物を育てる。その作物を人や動物が食べる。ふん尿からはメタンガスも取り出し、コンロなどで活用する。車やトラクターは使い終わった食用油を精製した燃料で動かす。
そんな自然の循環に魅せられた人たちが霜里農場で研修を受け、町内で自分の農場を次々と開いていった。その数30ほど。小川町は有機農家が集まる町として知られるようになる。その作物は東京の契約先などに出荷され町内ではあまり見かけなかったのだが、地元の有機作物を使った食事や酒が楽しめる店が次々と生まれている。
100%無農薬米でつくる「おがわの自然酒」の晴雲酒造
その一つが晴雲酒造。小川町の駅を降り、ところどころに土蔵や風情ある木造家屋が残る町を歩くこと15分。当地で100年以上続く酒蔵はレンガづくりの煙突が目印だ。20年ほど前から地元のコメを使うことにこだわり始め、その一環で無農薬の有機米だけを使った「おがわの自然酒」を販売する。専務の中山健太郎さん(35)は「うちの酒の特徴は飲み飽きしないこと。その中でも自然酒は生産者の顔を思い浮かべながら飲んでもらいたい」と話す。
地元の有機食材と酒のおいしさを伝えたいと、酒蔵に隣接して和風レストラン「玉井屋」も開いた。自然酒を傾けながら味わう野菜料理などは、からだに染み込むようでまた格別だ。
駅の近くにある「べりカフェ」でも有機作物のランチが味わえる。有機農業を基盤としたまちづくりを進めようと地元の主婦らがつくった特定非営利活動法人(NPO法人)「生活工房つばさ・游(ゆう)」が運営。料理人とメニューが曜日によって異なる「日替わりシェフ」制で、月曜なら霜里農場の人たちが提供する新鮮な卵かけご飯、金曜なら保育園の元調理師グループがつくるからだに優しいご飯、といった具合だ。このほか町内には有機野菜食堂「わらしべ」などもある。
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その場で食べるだけでなくて、新鮮な有機作物を買って帰りたいという人には日曜午後1時に開く「久保マルシェ」がおすすめ。町内の有機農家が野菜などを持ち寄り即売する。町の中心からは少し離れたところにある久保製紙「紙すきの村」の目の前の空き地で開催するのでこの名がついた。すぐ売り切れてしまうことも珍しくない。
久保製紙も「自然」にこだわる。通常、和紙であってもその製造工程ではいくつかの化学薬品を使う。ここでは薬品をまったく使わない手すき和紙もつくる。「シックハウス対策などでこだわりの家を建てるときの壁紙、障子紙としての需要がある」(5代目の久保孝正さん)
旅の終わりには地元産の有機栽培の麦などでつくった地ビールでのどを潤してはどうだろう。駅近くの「麦雑穀工房マイクロブルワリー」で「滋味あふれる穀物感のあるビール」(醸造担当の鈴木等さん)を飲みながら、「食」や「環境」について思いを巡らせるのもいいかもしれない。
(編集委員 山口聡)
<旅支度>都心から70分、紙すき体験も
小川町へは東京・池袋から東武東上線の急行で70分ほど。霜里農場は奇数月に1回、一般向けの見学会を開いている。主催はNPO法人「生活工房つばさ・游(ゆう)」(電話090・4453・6355)。
和紙の里らしく紙すきが体験できる。埼玉伝統工芸会館(電話0493・72・1220)や久保製紙(電話0493・72・0436)へ問い合わせを。子どもたちには仙元山見晴らしの丘公園にある全長203メートルのローラー滑り台がおすすめだ。町を見おろしながら滑り降りる。利用料は大人200円、子ども100円。