エネルギー資源としての「石油」が、ここ100年の戦争の主要要因でありました。そして今からは「食品」が大きな問題となります。情報量の増大で、文明文化の標準化願望が高まり、人口増加にともなう食料需要の増大とエネルギーの確保が世界中で不可欠となって来ています。原発に多くを期待できない事情は明白であり、まともな思考をすれば、当然に「脱〜卒原発」しかあり得ないはずです。(リサイクルできないことと、2度の原子力のリスクを体験しながら、まだ思考を脱せない賢人たちがいるのは、何とも言いようもないことです) 何れにしても必要なことは、先ずは「ガスによる火力での電力確保」であり、LNG・シェールガス・メタンハイドレートの確保であります。藻からの油や低位の石炭や木材からの火力引き出しも実用段階を迎えています。水力、潮力、風力、太陽光、地熱等からの電力確保も、現実的に「石油のコスト」を凌駕する様になって来ています。
今回の三菱商事の快挙をはじめ、資源の偏らない供給システムを組むことは、国防上も最大課題であり、今の円高を有効活用することで、上手く国際社会で凌いで行くこととなります。
三菱商事、北米最大ガス田開発 4800億円投資、日本にLNG輸出へ 発電コスト低減 :日本経済新聞
三菱商事はカナダで北米最大級の新型天然ガス田の開発に参画する。同国の資源大手から権益の4割を取得。開発費を含め三菱商事の投資額は約60億カナダドル(約4800億円)と新型ガスでは日本勢で最大になる。液化天然ガス(LNG)の生産設備も建設し2018年以降、日本などアジア輸出を目指す。原子力発電所の事故以降、日本のLNG輸入が急増し発電コストがかさんでいる。北米に調達先が広がれば燃料の安定確保とコスト低減につながりそうだ。
新型ガスは「シェールガス」と呼ばれる。カナダのエンカナ社(カルガリー)がブリティッシュ・コロンビア州モントニー地域に持つ天然ガス鉱区の権益4割を取得することで同社と合意した。鉱区面積は約1650平方キロメートル。可採埋蔵量は世界最大の需要国である日本の消費量の9年分に当たる35兆立方フィートという。
福島第1原発の事故後、火力発電の燃料として日本のLNG需要が急増。11年の輸入量は7853万トンと前年比12%増えた。世界的な需要増でスポット価格も100万BTU(英国熱量単位)あたり17〜18ドルと震災前の倍近くに上昇。11年はLNGの増加分だけで1兆3000億円の調達費がかかり、電力料金の引き上げ圧力の要因になっている。
北米ではシェールガスの増産でガス価格が低下。北米産ガスを活用すれば液化、輸送コストを含めても調達価格は現在の相場で10ドル前後になるとみられる。日本の発電用燃料コストの低減につながる可能性が高い。
三菱商事とエンカナは今後5年間、累計600本以上の生産用井戸を掘り開発。10年以内に日量30億立方フィートのフル生産に移る考え。まずは米国やカナダ向けにシェールガスを販売する。三菱商事はカナダ西海岸に液化プラントを設けて引き取った分からLNGを生産。日本向けに供給することを目指す。
三菱商事はすでにカナダ西部のコルドバ地区で中部電力、東京ガスなどと別のシェールガス権益の5割を保有、天然ガス生産を始めている。今回のガス田権益確保で三菱商事はLNG換算で年950万トンのガス資源を確保したことになる。
これまで域内消費してきた米国やカナダ政府も輸出を認める方針で、15年以降、順次アジア向け供給が始まる見通し。北米に調達先が多様化すれば、燃料の安定確保にも寄与する。
シェールガスでは商社や石油会社が相次ぎ権益を取得。伊藤忠商事が米投資ファンドと共同で米石油ガス会社サムソン・インベストメントを買収したほか、三井物産や丸紅なども米国で権益を確保した。