今朝TVで中国の漁業事情を報道していました。違法中国漁船の母港での取材です。
やはり、中国の近海では魚が捕れなくなって来ているようです。1回の航海で300〜500万円程の上がりとなり、たとえ捕まっても罰金200万程度であれば合うリスクとの事。生活がかかっている為に、少し生温い対応であれば、幾らでも違法承知で操業をする。しかも、根こそぎ型漁業で、漁網も通常のものより1/4程細かい網で稚魚も根こそぎ引き上げてしまう…これでは近海の魚が激減するはずです。需給の関係があり、経済成長とともに食品の絶対需要が上昇、人口も増えて、幾ら供給しても不況で売れなくなる事がない…捕ればとるだけ儲けに繋がる。
こういった環境下では、余程の指導を徹底せねば、コントロールされた操業態度とならない。国際紛争回避の為に柔な対応に終始すると、結果として、更なる大事に発展しかねない。日本も対岸の火事でなく、既に尖閣諸島周辺では実際の漁船は出て来ており、「軍人系の偵察船/政府コントロール下」的なものではない事を確認しておく必要が出て来た。実需/生活必要ベースでの漁業展開ともなれば、必死さ度合いが異なってくる。対応をしっかりせねばならない。…中国では「顔を見られた強盗」は死刑の国です!違法承知の漁民もこのレベルの覚悟はしており、対応もそれなりに厳しくせねばなめられるばかりです。
違法中国漁船:「摘発は戦争」韓国警察隊員語る - 毎日jp(毎日新聞)
海洋警察隊員殺傷事件で拿捕された漁船の船員が振り回したおもり付きの凶器を手にする沈政善さん=仁川海洋警察署で2011年12月16日、西脇真一撮影
「大きく揺れる船の上でありとあらゆる物が飛んでくる。一言で言うなら戦争だ」。仁川(インチョン)海洋警察署警備救難係の沈政善(シムジョンソン)さん(45)は、違法操業中の中国漁船を摘発する際の様子をこう表現した。12日、沈さんは同僚の李清好(イチョンホ)さん(41)を中国人船長の凶刃で失った。「取り締まりがすべてではない。中国側は政府レベルで違法操業を遮断すべきだ」。沈さんは、抜本的な対策の必要性を訴えた。【仁川で西脇真一】
◇10キロおもり振り回し薄暗い仁川海洋警察署1階の廊下。半開きの扉から捜査課の中をのぞくと、違法操業船に乗っていた中国人船員とみられる赤いジャージー姿の男がいすに座っていた。中から出てきた沈さんは、カギとおもりの付いた棒を持って来た。今回の事件で船員が振り回した凶器の一つだ。おもりは10キロはある。直撃されたらひとたまりもない。床には竹やりも置いてあった。
事件は12日早朝発生した。停船命令に応じない「魯文漁」(66トン)に向け、警備艇から16人が高速ボートに分乗して出動。対テロ訓練を受けた特殊部隊員もおり、彼らが中国人船員の阻止線を突破する。せん光弾を発射し、「魯文漁」に乗り移る。船員8人を制圧し、李さんらが船長の程大偉容疑者(42)を取り押さえようと操舵(そうだ)室に入った。
ところが、程容疑者は刃物で李さんら2人を刺して抵抗した。李さんは防刃チョッキを着用していたが保護のない脇腹を刺された。当時、一緒に違法操業していた他の漁船が「魯文漁」の側面に衝突を繰り返して摘発を妨害しており、これに足をすくわれた可能性もある。
◇中国は厳しい対応を沈さんによると、中国漁船が凶悪化したのは04年ごろから。「激しく抵抗すれば捕まりにくいことを悟ったため」と分析する。また、中国漁船は簡単に捕まらないよう気象条件の悪いときを狙って韓国側排他的経済水域(EEZ)へ侵入する。07年ごろからは、十数隻の漁船が互いをロープで横一列に縛る「連環計」の形を取って逃走するケースが出てきた。「連環計だと相手は100人以上となり、手を出しにくくなる」という。
韓国政府は今回の死亡事件を受け、銃使用規制の緩和を表明した。沈さんは歓迎するが、一方で「命は重い。そう簡単には使用できないだろう」とも話す。
違法操業漁船に対する罰金は徐々に引き上げられ、仁川海洋警察署の場合、平均7000万ウォン(472万円)を科す。だが「中国側は船団を組み、支払いに備えて金を集めておく互助会システムも整えている」そうだ。
中国の漁場は海洋汚染や乱獲で枯渇しているとみられる。取り調べにも「違法なのは分かっているが、魚が取れないから来た」と供述するケースが多い。
17日付東亜日報によると韓国側EEZに入ってくる中国漁船は1日平均約3000隻で、そのうち85%は違法。海洋警察は毎年、中国漁船を500隻近く拿捕(だほ)するが、全体のごく一部に過ぎない。「いくら捕まえても違法操業はなくならない」。沈さんは、中国側の厳しい対応を強く求めた。