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メモ「格安航空会社(LCC)テイクオフ」

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 暫く前から格安航空会社が日本にも進出してきていましたが、日本の大手2社も対抗上か格安航空界社を設立し、参入を図りました。元々旧い機種や不完全なサービスで中国系の航空界社は安かったのですが、利用するにはためらいがありました。しかし、ここへ来てシンガポールのLCC始め日本の2社もそれなりの理屈の通った安さでの運営をする会社とのことです。過剰なサービスはカットですが、安全性は確保されている様です。

 結果定着すると、とんでもない革命が起りそうです。今までは、経営的に合わないとの理由から地方飛行場からの撤収が相次いでいましたが、これも工夫することで活用できる余地が出て来た様です。飛行機も中型の経済的な機種が開発されて来ており次の時代は、丁度、大阪-東京間に新幹線が出来た時の様なことが、地方都市と東京や大阪間で起ります。

 文化的な集中傾向(例えば、映画を撮影するには役者・スタッフや小道具等考えると東京か大阪となってしまいます)や、経済的な集中傾向(東京1極9割)等思いがけぬ改善となって行くことでしょう。

 古くマンネリ化した業界、トップ企業が赤字に陥る旧弊に埋没しがちな業界、この様なところに、価格破壊でのイノベーションが起る典型です。社会のかなりの部分がこのようなマンネリ状況になっており、改革が不可欠ですが、このLCCの進展を観ることで、反省しチェックし、早めの改革に着手して行きたいものです。

格安航空対策 急ぐ 全日空、接客術に磨き 日航、機内食見直し :日本経済新聞

 全日本空輸と日本航空の国内航空大手がサービスの充実に乗り出した。両社が出資する格安航空会社(LCC)が相次ぎ就航、利用客をつなぎ留める必要があるためだ。全日空は4月から全客室乗務員(CA)にタブレット(多機能携帯端末)を持たせて機内サービス向上に役立てる。日航は空港での接客サービスを改善、機内食の一部メニューも見直した。しかしサービス向上での誘客には限界もある。業務の効率化が不可欠だ。

全日空はタブレットで客室乗務員の習熟を速める

全日空はタブレットで客室乗務員の習熟を速める

 全日空は来月から約6千人の全CAに米アップルのタブレット「iPad(アイパッド)」を持たせる。約1200ページにのぼる乗務マニュアルをCAがiPadでいつでも閲覧できるようにし、食事の提供などで習熟度の高いサービスが提供できるようにする。iPadを使った搭乗者へのサービス展開も検討する。

 国内空港で働く約3500人を対象に、接客業務担当者の社内コンテストも開催。今後も身だしなみや挨拶、案内の正確さなどを審査する機会を設け、接客術を高める。

 日航は経営難に陥った際にとりやめた空港担当者による社内のアナウンスコンテストを3年ぶりに再開。聞きやすい案内などスキル向上を図る。3月からは吉野家ホールディングスの牛丼、4月にはダスキンが運営する「ミスタードーナツ」と共同開発したドーナツをそれぞれ機内で提供、食事も充実する。

 LCCの存在感が高まるにつれ、全日空や日航の既存国内大手は“遺物”の意味を持つ「レガシー」などと呼ばれるようになった。LCCが業容を拡大する東南アジアでは、マレーシア航空が昨年、650億円の最終赤字に転落するなど苦戦が浮き彫りになっている。

 全日空や日航でも同じ経営状態に陥る可能性がある。両社は「顧客の期待を超えるサービスを提供する」(全日空の伊東信一郎社長)「最高のサービスを提供する点でどこにも負けない会社になる」(日航の植木義晴社長)ことで、利用客をつなぎ留めたい考えだ。

 もっともサービスの向上だけで経営の安定、収益の向上は望めない。提供する1座席を1キロメートル運ぶのにかかる費用で全日空は13円、日航は11.5円。同業のシンガポール航空の7円台、LCCアジア最大手のエアアジア(マレーシア)の3円前後に比べ見劣りする。

 業務の効率化に向け、全日空は来年4月に持ち株会社制に移行。レガシー、LCCなど事業内容に応じて別会社化し、持ち株会社の傘下に収める。日航は燃費効率が高い米ボーイングの最新鋭中型機「787」を10機追加発注するなどして、コスト削減を図る。

国内格安航空3社売り上げ、5年後 4000億円も  :日本経済新聞

 国内航空大手が出資する3つの格安航空会社(LCC)が今年、相次いで就航する。先陣を切った全日本空輸出資のピーチ・アビエーションの平均利用率は8割超。単純比較は難しいが、大手の国内線利用率は50%台半ばから70%程度で推移しており、出足は好調といえそうだ。

 ピーチは3月1日に関西国際空港と札幌、福岡を結ぶ路線で営業を始めた。札幌線の運賃は最低4780円。福岡線は同3780円と大手の半額以下。夜行バス並みの価格に設定した。25日には関空―長崎線が就航。5月には関空とソウルを結ぶ国際線も飛ばし、順次路線網を拡充する。

 全日空はアジア最大のLCC、エアアジア(マレーシア)と合弁でエアアジア・ジャパンも設立している。成田国際空港を拠点とし、8月1日に営業を開始。毎年航空機を5〜6機増やし、2016年度には25〜30機体制とする。同年度の売上高を1500億〜2千億円にしたい考えだ。

 日本航空は豪カンタスグループなどとジェットスター・ジャパンを設立、7月に就航する予定。路線の詳細は未定だが、成田、関空、福岡、札幌、那覇を結ぶ方針。3機で運航を開始、15年度をメドに24機に増やす。

 LCCの航空機1機あたりの年間収入は40億〜50億円といわれる。17年度までに15機に増やす計画のピーチを含め、5〜6年後には国内系3社合計で年間3千億〜4千億円の売り上げ規模となる見通し。

 安さをテコに航空機を利用してこなかった顧客層を開拓できれば大手のLCC参入は成功といえる。しかし少子化や内需低迷で利用者が限定されれば、レガシーとLCCの顧客の奪い合いが生じるのは必至。市場をどう拡大するかが全日空と日航に突きつけられている課題だ。


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