今朝のTVでは、10年先もの米国のLNGは2ドルと下がっている。火力発電を石炭からLNGへシフトして来ており、ますます下がる傾向との事です。アジアでの価格は石油連動型となっており、100万BTU(英国熱量換算)当たり15〜16ドル程度と震災前より7割高い。シェールガス増産で同3〜2ドル前後で推移する北米の天然ガスとは、驚く程の価格差であり、下記のこのような作業を加速させる事で、十分に安い火力発電コストを確保できるはずです。
三菱商事・シェル・中国大手など、北米産LNGをアジアへ 合弁、事業費1兆円 :日本経済新聞
三菱商事と英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、中国石油天然気集団(CNPC)、韓国ガス公社の4社はカナダ西海岸で液化天然ガス(LNG)の合弁生産に乗り出すことで最終調整に入った。4社が同国内で開発するガスを集めて液化し、2020年にも日本などに供給する。年産規模は1200万トンで総事業費は1兆円超。発電用燃料の需要国である日中韓の大手と国際石油資本(メジャー)が連携し、需要が伸びるアジア向けLNGの安定供給体制を築く。
LNGの国際取引はこれまで、供給国が産出量の多い中東や豪州などに偏っていた。だが、北米で地中の岩盤層から抽出する新型天然ガス「シェールガス」の生産が拡大。日中韓と欧州の主要な資源プレーヤーが北米生産で連携することで、世界の取引に新たな流れが生まれる。輸入価格の安定にも寄与しそうだ。
4社はカナダ西海岸のキティマット周辺で、LNG基地を共同で建設することで詰めの協議を進めている。各社がそれぞれカナダ国内に権益を持つガス田からパイプラインでガスを集め、20年ごろに年1200万トンの能力でLNG生産を開始。それぞれ日本や韓国、中国の電力、ガス会社に長期安定供給する計画だ。
合弁の比率は未定。早ければ4月中にも大筋合意する。合意後、地元政府への許認可申請に移るほか、各国の需要家へ説明を始める。
カナダではシェルが西部のモントニーやホーンリバーなどの地域にシェールガスの権益を多数持つ。韓国ガス公社やCNPCもそれぞれガス田権益を取得済みだ。
三菱商事は2月にカナダの天然ガス最大手、エンカナからシェールガス田の権益の4割を2300億円で取得した。コルドバ地域では中部電力や東京ガス、大阪ガスなどと共同で5割の権益を持つ。三菱商事は合計で年900万トンのガスを引き取る権利を持っており、この一部を今回のLNG生産に利用する。
日本はLNGの輸入量が世界最大で、11年は震災の影響で前年比12%増の約7800万トンを輸入した。国内取扱量が最も多かったのは三菱商事だった。一方、韓国ガス公社は年間3000万トンのLNGを輸入、単一企業では世界最大の買い手。中国国営大手のCNPCは天然ガスの開発、生産や海外ガス田権益の投資を手がけている。
新興国の経済成長で天然ガスの需要拡大が見込まれると判断。日中韓と欧州の有力企業が国の垣根を越え、共同調達に乗り出すことにした。
北米では技術革新により地中の岩盤層から取り出すシェールガスのガス田開発や生産が広がっている。米国は内需が堅調なうえ、安全保障の観点から自由貿易協定の締結国以外には政府が輸出に慎重。だが、カナダは輸出に積極的で、安定確保が可能との見方が多い。
火力発電向けの需要増で日本などアジア向けLNGスポット価格は現在、100万BTU(英国熱量換算)当たり15〜16ドル程度と震災前より7割高い。シェールガス増産で同3ドル前後で推移する北米の天然ガスを調達できれば液化、輸送コストを含めても割安になりそうだ。今回の輸出価格決定方式は未定だが、北米という新たな調達先ができ、他国との交渉にも有利に働く可能性がある。