北朝鮮の”衛星”と称するミサイルの軌道はずれに対する迎撃態勢について、色々の意見有り。米国は”衛星”なら容認に近い発言(失言)をしたとか、沖縄の緊張感と本土のそれとはズレあり、韓国は総選挙でそれどころでない程の、気にも掛けない報道ぶり。防衛省中心の沖縄での自衛隊の展開のなじみ作り、対中国への牽制の演習、とまで言う向きもあり。
何れにしても、米国ではミサイル駆逐艦(イージス艦)を出し、日本の3艦と韓国合わせて全部で10イージス艦の配備連携をしている。米国衛星からの情報、特殊機種5機による情報キャッチとその連絡実践体系整備確認をして行っている。
パトリオットPAC3を、沖縄だけでなく、首都の防衛にも充てる等、少し騒ぎ過ぎのきらいがあるが、平和ボケをなくす効果はありそうであります。
fukuchan-hi U.S. FrontLine:アメリカ・日本・世界の政治・社会・経済情報速報ニュースサイト
米ミサイル防衛網起動 追跡、迎撃態勢「盤石」 北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイル発射に備え、米軍は宇宙、海上、陸上に配備したレーダーと迎撃システムによる地球規模のミサイル防衛網を起動、ミサイルの迎撃や軌道追跡に「盤石の態勢」(リトル国防総省報道官)を敷いている。
イージス艦数隻を日本近海などに展開させるほか、早期警戒衛星で発射を即座に探知し、海上のレーダーなどで軌道を追跡。同盟国である日本の領域に破片が落下する緊急事態に備え、日米の情報共有にも万全を期す方針だ。
態勢構築の中心となるのは、ハワイに司令部を置く太平洋軍。北朝鮮側の通報によると、1段目が韓国西方沖の黄海、2段目は沖縄県・石垣島上空付近を通過しフィリピン・ルソン島東方沖に落下するとされている。(共同)
嘉手納にコブラ3機「衛星」発射対応目的か - 琉球新報 ryukyushimpo.jp/news/storyid-1… 弾道ミサイル追跡機能を持つ民間高度観測機ガルフストリーム・エアロスペースG1159B型機&赤外線カメラを備え空気中の放射性物質を測定できる電子偵察機RC135U特殊機5機集結
嘉手納にコブラ3機 「衛星」発射対応目的か - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
【嘉手納】北朝鮮の衛星発射への対応目的とみられる米軍特殊機の嘉手納基地への飛来が相次ぎ、集中配備が進んでいる。
10日午後、米ネブラスカ州オファット空軍基地所属の弾道ミサイル観測機RC135S(通称・コブラボール)2機が相次いで飛来。すでに同基地に駐留している1機を合わせ、米国所有のコブラボール3機全てが嘉手納基地に配備された。
米国防総省ミサイル防衛局所有で、弾道ミサイル追跡機能を持つ民間高度観測機も初めて飛来した。同機は、ガルフストリーム・エアロスペースG1159B型機。
赤外線カメラを備え空気中の放射性物質を測定できる電子偵察機RC135U(オファット基地所属、通称・コンバットセント)1機を含め、同基地に駐機する特殊な外来機は5機となった。
米軍偵察機が沖縄に集中
北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え飛来した電子偵察機RC135S(通称コブラボール)=10日午後 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に10日午後、弾道ミサイル観測能力を備えた電子偵察機RC135S(通称コブラボール)が2機、相次いで飛来した。嘉手納には昨年末から既にRC135S1機が一時配備されている。米軍が保有するRC135Sは3機のみで、北朝鮮が12日以降に予告する「衛星」打ち上げと称した弾道ミサイル発射に備え、全機を沖縄に投入した格好だ。RC135Sはいずれも米ネブラスカ州のオファット基地所属。嘉手納には現在、このほかに電子偵察機RC135U(通称コンバットセント)も一時配備されており、態勢が強化されている。
イージス艦「ステザム」ステザムは人物の名前に由来する。ミサイル駆逐艦。
電子偵察機RC135Sコブラボールと車力のXバンドレーダーさらには衛星の情報処理JTAGSと連動して、弾道ミサイルを迎撃するTHAADというミサイルを積載している可能性がある。
最新鋭の迎撃ミサイルを積んでいるかもということ。
ステザムは1994年の進水時排水量8,315t、今般の報道では排水量と表記はないものの8,800t。何らかの改修が施されたのだろう。
電子偵察機RC135Sコブラボール
http://www.rimpeace.or.jp/jrp/misawa/mw0008/rc135smw0825.html
から拝借。
(参照)
時事ドットコム:【特集】一からわかるミサイル防衛 7頁より2頁抜粋
ミサイル防衛の仕組み(1)弾道ミサイルの軌道と迎撃手段【時事通信社】
弾道ミサイルの飛行軌道は、発射直後にロケットモーターを全開にして急上昇する「ブースト」段階、ロケットモーターの燃焼が終了してから軌道の頂上に達し、落下を始めるまでの「ミッドコース」段階、目標に向けて超高速で落下する「ターミナル(終末)」段階のフェーズに分けることができる。ミサイルを撃墜するには、あまりスピードが出ていないブースト段階を狙うのが効率的だが、迎撃のチャンスは長距離ミサイルで発射後5分程度、短距離ミサイルだと数十秒しかない。
米国は、弾道ミサイルをブースト段階で撃墜する手段として、レーザー兵器の研究を進めている。航空機搭載型の高出力レーザー(ABL)でミサイルを照射、内圧が高まっているロケットモーターを外側から熱して爆発させるという構想で、ボーイング747にレーザー発生器を積んだABL機を製造して実験を繰り返していた。2010年には、このABL機から照射したレーザーで模擬弾の迎撃に初めて成功し、ブースト段階での撃墜も技術的には可能であることが実証された。
ただ、ミサイルの発射を即座に探知できたとしても、数分で迎撃可能地点まで近づくには、あらかじめABL機を大量に配備しておく必要があり、コストパフォーマンスの面で問題がある。このため、米国も11年いっぱいで大型機によるABL計画を凍結。レーザー兵器の利用自体を断念したわけではないものの、ABLを小型化した上で無人機に搭載し、24時間体制で高高度を哨戒する戦術にシフトする見通しだ。
米海軍のイージス艦「レイク・エリー」から発射されたSM3の赤外線シーカーが捉えた標的の弾道ミサイル。訓練の画像なので標的は模擬弾だが、高熱を帯びたロケットモーター部分が白く光っている(米海軍提供)【AFP=時事】
弾道ミサイルはブースト段階からミッドコース段階に移ると、徐々にスピードを落とすので、物理的には迎撃の可能性が広がる。ただし、放物線軌道の頂点は、短距離ミサイルでも高度300キロ、長距離ミサイルでは同1000キロを超える場合もある。このため、ブースト段階で弾道ミサイルの針路を正確に把握し、早い段階で迎撃ミサイルを発射しないと、チャンスを逃してしまう。
それには、超高空まで短時間で到達できる迎撃ミサイルと、敵ミサイルを追尾する高性能レーダーが欠かせない。日本周辺のミサイル防衛では、ミッドコースでの迎撃ミサイルとしてイージス艦に搭載した「スタンダードSM3」を使用する。SM3は、全長6.6メートル、全備重量約1.5トンで、3段式のロケットモーターで推進する。迎撃ミサイルには、弾頭部を目標近くで爆発させ、その破片で破壊するタイプと、弾頭を直接ぶつける方式(運動エネルギー弾頭)の2種類があるが、SM3は後者を採用している。
SM3は発射後、母艦のレーダーが捉えた情報を基に進行方向を修正し、目標に向かう。弾頭部には赤外線シーカーと軌道修正装置が備えられており、推進用のロケットモーターが燃焼し尽くした後は、切り離された弾頭部が自律的に目標を探索し、姿勢を調整して正確にヒットすることができるとされている。
ミサイル防衛の仕組み(2)ランチャーから発射される終末期高高度地域防衛(THAAD)システムのミサイル。機体はPAC3より大型だが、ランチャーは自走式なので、スピーディーに移動や展開ができる(米国防総省提供)【時事通信社】
SM3によるミッドコース段階での迎撃は、これまで模擬ミサイルを狙った発射実験が何度も行われている。正確な命中率は高度な軍事機密なので明らかにされていないが、実験では8割程度が撃墜に成功したとされている。もっとも、実験では目標がどのような軌道を取るか、あらかじめ分かっているので、実戦で同じ命中率を維持できるとは限らない。また、実験でも2割は打ち漏らしていることになり、弾道ミサイルが地上に落下するターミナル段階での迎撃が不可欠なのは明らかだ。
弾道ミサイルが地上に落下する時はマッハ3〜24という超ハイスピードで、地上に近づくほど速度は高まる。また、仮に撃墜できても、高度が低いと破片が自国領内に降り注ぐことになるので、できるだけ高高度で弾道ミサイルを捉えるのが望ましい。
米国は2005年から、ターミナル段階初期での迎撃手段として「終末期高高度地域防衛(THAAD)システム」の開発を進めている。THAADの迎撃高度は軍事機密として明らかにされていないが、日本も装備しているパトリオットPAC3が担当する空域より上の高度50〜80キロ程度が目標を撃破するエリアとみられている。
米国防総省は11年10月、THAADシステムの迎撃実験に成功、2基の弾道ミサイルを打ち落としたと発表した。標的となったのは短距離、中距離の弾道ミサイル各1基で、THAADシステムの担当者には標的がいつ発射されるかを知らせない実戦型訓練だったとされている。
THAADは、弾頭を目標に直接ぶつける方式(運動エネルギー弾頭)で破壊力も大きい上、SM3などミッドコースの迎撃システムが苦手とする短距離、中距離の弾道ミサイルにも対応が可能とされている。ただ、技術的な課題が残っている上、システム整備に必要なコストも明らかでなく、12年度当初で日本が導入する計画は具体化していない。
航空自衛隊が米国で実施した訓練で発射されるパトリオットPAC3=2008年9月(航空自衛隊提供)【時事通信社】
ターミナル段階で日本が備えている迎撃手段は、今のところパトリオットPAC3だけだ。PAC3は、湾岸戦争でスカッドの多くを打ち漏らしたPAC2の後継システムだが、ミサイルの機体から抜本的に見直された。PAC2は弾頭部を目標近くで爆発させ、その破片で破壊するタイプだったのに対し、PAC2はSM3やTHAADと同じ運動エネルギー弾頭を採用。命中精度を高めるため、飛行の最終段階で小型のロケットモーターを噴射して姿勢と方向を制御することができる。
機体は全長5.2メートル、発射重量約900キロとPAC2に比べて小型化されているが、迎撃可能エリアは高度で2倍に広がった。ミサイル発射機、目標を捜索・追尾するレーダー、射撃管制システムを一体運用するが、それぞれトレーラーに載せて陸上移動が比較的容易にできるため、広域的に展開することが可能だ。日本でPAC3を運用しているのは防空を担当する航空自衛隊で、08、09年に米国の試験場で模擬ミサイルの迎撃訓練を行い、いずれも成功させている。なお、PAC3のミサイル本体の価格は、導入当初1基当たり約8億円とされていた。